読書感想:『人間そっくり』
2024年の今年は安部公房生誕100年。 今回も、まさに安部文学と言えるような作品を鑑賞。 今回の小説は、 『人間そっくり』 というSF小説。 人間そっくり(新潮文庫) 作者:安部公房 新潮社 Amazon 〈こんにちは火星人〉というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。 その男とやり取りをしていく間に、脚本家自身も、自分が人間そっくりの火星人なのか、火星人そっくりの人間なのか、わからなくなってくる。 わからなくなってくる脚本家自身と同じように、小説を読んでいる読者の自分においても、ぐるぐる頭が回ってわけがわからなくなってしまうような作品。 個人的には、まさに安部文学、…
2024/06/02 11:30