読書感想:『カンガルー・ノート』
安部公房氏が生誕して100年の2024年。 本日ご紹介するのは、安部公房氏が完成させた最後の長編とされる、 『カンガルー・ノート』 カンガルー・ノート(新潮文庫) 作者:安部公房 新潮社 Amazon ある日突然、自分の脛に〈かいわれ大根〉が生えているのに気づく。 治療してもらおうと訪れた病院でベッドに括り付けられ、医師から硫黄温泉での療養を勧められる。 主人公は坑道から運河、賽の河原から共同病室へさまよい、様々な登場人物と巡り合う。 『カンガルー・ノート』とは、文房具の会社で、新商品の開発をしている主人公が、会社の提案箱に何気なく投函し、まさかの採用をされたアイデアである。 この作品を上梓し…
2024/05/17 19:00