「佳宏…」「んぁ…っ!──…っぅ…んん…っ!!」耳元で何度もその名を呼べば、ぶるっと身を震わせ更にきつく締め付けられる。「愛してる──…」そして堪らず唇に乗せた俺の告白に、一瞬驚いたように目を見開き、すぐに愛おし気に細められた眦から一筋の涙
(R-18)半分信じられない思いで問いかけると、透き通りそうなくらい白い顔がぱあっと朱色に染まった。そんな鳴海の姿に、必死で保ち続けていた理性が一瞬で飛び散り、堪らず細い身体を引き寄せ抱きしめていた。「本当に?」腕の中にすっぽりと収まってい
本当にこれはどういう事なんだ?いや、どういう事も何も、昨日からの鳴海の台詞は、どう考えたって甘い告白にしか聞こえないわけで。その事自体はめちゃくちゃ嬉しいんだけど、全ての理由が全くわからないままである事に変わりないんだ。「俺…今日は鳴海くん
マンションまで、走れば2分とかからないはずのバス停からの道が、こんなにも長く感じたのは初めてだ。電話をして確かめようにも、肝心の鳴海の携帯番号を聞いていなかったし、一人暮らしをしている為、携帯さえ所持していれば自宅の電話を使う事もないだろう
夜、仕事が終わって部屋に帰った時、まだ鳴海はいてくれるだろうか──…?朝見せてくれたのと同じ笑顔で、俺を迎えてくれるだろうか──…?12年振りに会えて、聞きたい事は山ほどあったはずなのに、何ひとつ聞けてはいない。昨夜の突然の鳴海からのキスに
ヴーー…という振動と共に、アラームが鳴り響く。 「ん〜…んんんっ…」モソモソと布団の中から手を伸ばし、枕元に置いてあった携帯を手にとりアラームを解除した。「寝起きの顔はひどいな」まだボーッとする意識の中、不意に聞こえてきた笑い声に一気に意識
「なんか…変な感じ…」抱きしめた腕の中にすっぽりと納まる汗ばんだ額にそっと口付け、愛撫するように優しくその髪を梳けば、俺の背に手を回した鳴海が小さな呟きを落とす。「何が?」呟いた鳴海の声に、そっと顔中に降らせる口付けを止めないままに問いかけ
(R18)「木本……待…っ…ちょっと待てって…あ、っん…っ痛!」一ミリの余裕だってなくて、いきなり鳴海のズボンの中に手を突っ込み中心を鷲掴んだ俺の髪を、鳴海の細い指が絡め取り軽く引っ張る。「そんなし、たら、痛い…って…あっ、つ──…っ!」「
冷蔵庫の中から2リットルのペットボトルに入ったお茶を取り出し、2人分のグラスに注ぐ。その間チラリと盗み見た鳴海は、床に座ったまま興味深げな表情で、決して広いとは言えない室内を見回していた。その横顔は、今にも消えてしまうのではないかと心配にな
突然の再会に舞い上がり、すっかり忘れていたが、俺の部屋は人様を招けるような状態ではなかった。「ご、ごめん!凄い散らかってる。すぐ片付けるから、適当に座っといて」独身男の一人暮らしと言い訳してしまえばそれまでだが、ワンルームの室内は、床はもち
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