小さき花-第7章~7
いずれ後日天国に行ってから、この島流しの世の辛く陰気な日の事を思い、天主様の為に堪えたこの苦痛を喜んで思い起こすでありましょう。父の殉教(病苦)は三年も長く続きました。しかしこの三年は私にとって最も利益になる最も大切な年であったと思います。その苦しみの三年間はいかに優れた慰さめよりなお貴重でありました。そして私はこの時に受けた心の苦痛を耐えた功績……即ちこの上もない価値のある彼の宝を思いますと、感謝に堪えずしてこう叫びます「主よ祝せられ給え……苦しみの中に過ごした彼の恩恵豊かな年の為に大いに感謝いたします」と。親愛なる母様、私等はその苦しい境遇の中でも絶えず私等の心が愛と感謝の念とに満たされておりましたからこの苦き十字架は如何にも貴重で、如何にも甘味でありました。そのときに私等は完徳の道に歩むばかりでなく...小さき花-第7章~7
2022/09/30 03:44