愛の力(アンヌ・ド・ギニエの伝)第二章 ささやかな犠牲の道 四、日々の十字架
四、日々の十字架イエズスはただ「人若し我に従わんと欲さば己を棄つべし。」とのたまうたのではなかった。彼はその後に、「日々己が十字架を取りて擔え(になえ)。」と付け加え給うた。己を棄てるとは自愛心より分かれる事で、十字架を擔うとはそれ以上の事である。苦業を抱擁し、贖罪のために苦しみを愛し、十字架に釘付けられ給いしイエズスに一致して、己の愛を証し、我等の過失を償う事である。神子の苦難の玄義の中に導かれる霊魂でなければ、誠に聖なる者とは言われない。この点についても、アンヌはイエズスに、特に寵愛されたわけである。彼女の十字架への愛は、との年齢に比して驚くほど強かった。内心に懐くばかりでなく、外にもそれが表われた。家庭教師は「アンヌは簡単な十字架のしるしをするにしても、その様子は決して忘れられない。簡単な中にも深い確信を...愛の力(アンヌ・ド・ギニエの伝)第二章ささやかな犠牲の道四、日々の十字架
2019/10/31 21:03