『窓に写った幽霊』
怖い話しよっか。◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆真也は残業を終えて帰ろうとしていた。終電にギリギリ間に合うかという時刻で、オフィスにはもう他に誰もいない。窓から見える空も、真っ暗だった。「………ん?」ふと、真也は目を凝らした。何気なく見ていた窓に、見慣れない『何か』が写っていた。「ヒッ!」幽霊だった。血の気のない真っ白な皮膚に落ちくぼんだ目。骸骨に皮一枚被せただけのように痩せ細った男が、陰鬱そうに目を細め、窓の外からこちらを見ていたのだ。「ぎゃああああああ!」真也は悲鳴を上げ、オフィスから飛び出した。家に逃げ帰りながら真也は、そういえばうちの会社は、夜になると幽霊が出るという噂があったのを思い出した。「そ…
2021/12/24 21:37