書籍/御伽草子 二十四孝・15 郭巨
貧しい暮らしの中、老母が自分の食事を孫に分け与えているのが気の毒だから、という理由で我が子を殺害しようとした郭巨。 国立国会図書館デジタルコレクションより 郭巨 貧乏思供給 埋児願母存黄金天所賜 光彩照寒門郭巨は。河内と云所の人也。いゑ貧して母を養へり。妻一子を生て。三歳になれり。郭巨が老母。彼孫をいつくしみ。わが食事を分与けり。或時郭巨つまに語様は。貧ければ。母の食事さへ心に不足と思ひしに。其内を分て孫に給はれば。乏かるべし。是偏にわがこの有し故也。所詮汝とふうふたらば。子二度有べし。母は二度有べからず。とかく此子を埋(うづみ)て母を能養度思ふ也と。夫婦云ければ。つまもさすがかなしく思へ共。…
2024/04/30 04:42