書籍/御伽草子 二十四孝・11 楊香
父を守るため、虎にも臆せず立ち向かう勇敢な楊香。 国立国会図書館デジタルコレクションより 楊香深山逢白額 努力搏腥風父子倶無恙 脱身纔甲中楊香はひとりの父をもてり。ある時父とともに山中へゆきしに。たちまちあらき虎にあへり。楊香父のいのちをうしなはんことをおそれて虎を追さらんとし侍りけれども。かなはざる程に。てんの御あはれみをたのみ。こいねがはくは。わがいのちをとらにあたへ。父をたすけて給へと。心ざしふかくして。いのりければ。さすが天もあはれとおもひ給ひけるにや。今までたけきかたちにて。とりくらはんとせしに。虎にはかに尾をすべてにげしりぞきければ。父子ともに虎口のなんをまぬがれ。つつがなくいゑに…
2024/04/26 04:27