【連載記事 サウスウエスト航空】 航空業界の異端児#07 ダラスの対決
常識に捕らわれることのない発想と創意工夫でコストの削減と高い顧客満足を実現してきたサウスウエスト航空ですが、広告宣伝活動も一風変わっています。今回はサウスウエスト航空の奇想天外な広告宣伝活動がテーマです。 キャッチコピーを巡る争い ダラスの対決 1992年のことですが、サウスウエスト航空がとある会社と宣伝のキャッチコピーを巡って争ったことがあります。 内山:「『どっちの会社にキャッチコピーを使う権利があるか?』みたいな話ですか?」 そうです。まあ、よくある話です。普通はこういう場合、アメリカの会社であれば「裁判をして白黒つけよう!」となるのですが、サウスウエスト航空の場合はそうはしませんでした。 岡崎:「裁判となると時間も費用も掛かるからな…」 裁判に掛ける時間と費用が無駄だと考えたサウスウエスト航空は誰も考えつかないような奇想天外な方法でこの問題に決着を付けることにしました。 内山:「どうやって決着を付けたんですか?」 岡崎:「腕相撲で決着を付けた」 内山:「はい?何??」 岡崎:「だから、腕相撲で決着を付けたんだよ。アームレスリングやったの!」 内山:「それ、マジですか?」 マジです。キャッチコピーの使用権を賭けてサウスウエスト航空の社長と、争っている会社の代表が出てきて腕相撲をしました。 内山:「腕相撲で決着を付けるって、頭おかしいですね」 まあ、そうですね。確かに頭おかしいです。でもそれをやってしまうのがサウスウエスト航空という会社です。 内山:「ちなみに結果はどうなったんですか?」 岡崎:「サウスウエストの負け。だけど、相手が『キャッチコピー使って良いよ』って言ったから結果的にサウスウエストは争っていたキャッチコピーを引き続き使えることになったらしい」 このキャッチコピーの使用権を賭けた腕相撲対決は「ダラスの対決」と呼ばれ、大きな話題になりました。 係争を宣伝にしてしまう 内山:「だけど、この話。サウスウエスト航空の本当の狙いは何ですか?単に裁判費用をケチったわけじゃないですよね?」
2019/12/23 20:51