ジョルジュ・ヴィレルの回想録 その16

ジョルジュ・ヴィレルの回想録 その16

ウィリアム様の行方は 1年近くも不明のままだった。 そしてある日、シカゴ銀行の執務室にいると 秘書が来て、私に名指しで電話が入ったと言う。 「名前を名乗らないんです。 ロージィの弟だ、と言うのですが。 どういたしましょうか?」 ロージィの弟? 私は一瞬、意味が分からなかった。 ローズマリー様をロージィと呼んでいた頃がある。 ・・・ローズマリー様の・・・弟? まさか! 私は思わず立ち上がり…