もうすぐ奇跡の誕生日

もうすぐ奇跡の誕生日

今から1週間後はちょうど私の誕生日だ。とうとう56歳になる。夫がいた頃は、必ず私の誕生日を、子供たちと秘かに計画して、部屋の飾りつけをしてくれたり、お手紙を用意してくれたり、市内の美味しいケーキ屋さんでデコレーションケーキを用意してくれたりして、家族みんなで私のために「Happy Birthday」を歌ってくれた。それは私にとって、ごく当たり前の風景だった。ほんの15年前までは。夫から私への最後の誕生日プレゼントは、中島美嘉さんのコンサートのチケットと、長距離用の自転車だった。 夫亡きあと、自分の誕生日がひとつも嬉しい日ではなくなった。自分の誕生日のわずか5日後に迎える夫の誕生日。ほぼ一緒にお…