天台四教儀 現代語訳 20(完)
『天台四教儀』現代語訳 20(完) 第二節「十乗観法」 次に正式な修行における十乗観法(じゅうじょうかんぽう・観心において常に認識すべき十種の事柄)について述べる。これについては、四教でそれぞれ十種の名称は同じだが、その内容は異なる。今ここでは、円教について述べることにして、他の教えについては、この記述を通して知るべきである(注:四教それぞれで、観心の対象となる境も、観心の主体となる智も異なる)。 一つめは、観不思議境(かんふしぎきょう)である。一念の心を観じる時、すべての世界における性・相などの十如是、つまりと百界千如は、すべて備わっていて欠けるところはない、ということである。すなわち、この…
2023/04/15 08:46