法華玄義 現代語訳 173
『法華玄義』現代語訳 173 B.2.5.喩えについて ここで、三つの喩えをもって、「体」についての正しい見解と誤った見解を明らかにする。そしてそれに兼ねて「開合」「破会」などの意義についても述べる。 まず、三種の獣がいたとする。その獣たちが河を渡る際、同じく水に入る。この三種の獣は強いものと弱いものの区別がある。河には底がある。三種の獣のうち、兎と馬は力が弱いので、向こう岸に渡ることができるといっても、浮いてしまって深く水の底まで足はつかない。一方、大きい象は力が強いので、河底を歩いて渡ることができる。この三種の獣は、声聞と縁覚と菩薩の三人を喩え、水は「即空」を喩え、底は「不空」を喩える。声…
2022/10/21 16:53