学校で問題を起こす発達障害な困りごとが38歳になっても全然解決してなかった
夏は北欧、冬は地中海沿岸。オランダ移住を目指してフリーランス修行をしていた時の目標を完全に達成している。 今年の夏はシンガポール女子諸氏とデンマークを旅行して、クリスマス休暇はシンガポール男子氏とイタリアとギリシャを巡った。クリスマス休暇といっても、イブから新年までのゲロ混雑期はフリーランスの自由を生かして避けたけど。 なんだか上手くいきすぎではないか。 そう、人生はそんなに甘くない。オランダに移住して手に入れた人生の安定期は、苦手な能力を一切求められず、得意な能力だけで勝負できる、とても恵まれた状況を土台としている。 この土台はとても脆い。 ちょっと油断して判断をミスったり、調子に乗って好奇心に抗えなかったりして、うっかり苦手ゾーンに足を踏み入れてしまうと、その土台がガラガラと崩れて、これまでの人生を灰色にしてきた困りごとが一気に噴出してくる。 今回のクリスマス休暇では、イタリア南部、ポンペイの古代遺跡を訪れた時に、現地ガイドを付けたのがすべての間違いだった。 イタリアの古代遺跡にてやらかす いや、学校で問題ばかり起こしていた自分の性質に、ガイドツアーが合わないことは認識していた。でもシンガポール男子氏が調べたところ、ポンペイは案内板なども乏しいだだっ広い遺跡群で、ガイドがいなければ何が何やら理解できないことが判明し、それならば仕方ないとガイドに申し込んだのである。 遺跡群の入口付近でガイド氏と待ち合わせた瞬間から「こりゃマズいな」と思った。 ガイド氏は陽気な南イタリアのおっちゃんである。50代半ばといった感じ。考古学者を名乗り、たまに発掘調査にも参加するらしいけど、おそらく大学や研究機関には所属していない在野の歴史家であろう。 ところが不運なことに、彼の声量、波長(声の高さ)、そして演説調の喋り方。この人の声のすべてが、僕を疲弊させる苦手ゾーンに入っていた。決して悪い人ではないし、バリトン歌手として活躍しそうな、多くの人とっては心地良いであろう声の持ち主である。申し込みサイトのレビューが良いのにも納得だ。 問題は完全に僕の側にある。 最初の30分ほどは「せっかく頼んだのだから」と頑張って彼の解説に耳を傾け、突発的に飛んでくるクイズにも積極的に応答していた。ところが1時間も経たないうちに僕の対人関係エネルギーが枯渇してしまった。 相手の言っていることが脳からこぼれ落ちていく。 彼の英語は聞き取れるし、言葉として
2022/12/25 15:34