夜のスピノザ
スピノザの心身並行論によると延長と思惟は同じ実体の属性であるから、延長物体には必ず観念が伴う。人間以外の物体も観念を持っているのである。このことは決してオカルトではない。物体を擬人化しているのではなく、観念についての通説を変革し、観念を脱人間化しているのである。人間身体が日々の摂食によって外部の物体を取り込んでおり、外部の物体によって構成されていること、そしてその物体の観念が人間精神を構成する素材なのだと考えると、物体が観念を持つということも不自然な考えではないように思えてくる。というか、その心身並行論こそが、主客二元論のアポリアを解決し、人間精神の謎を解く唯一の鍵である、と私は思う。 そして…
2019/04/30 22:45