前回の続きになりますが、認知症の予防について、更に詳しくお話したいと思います。 前回紹介したこの書籍。 アルツハイマー病 真実と終焉 "認知症1150万人"時代の革命的治療プログラム 作者: デール・ブレデセン,白澤卓二,山口茜 出版社/メーカー: ソシム 発売日: 2018/02/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る ここでは認知症の予防法、治療法としてリコード法というものを提唱しています。 リコード法とは ①炎症を抑えるために ②必要な栄養因子を補充する ③毒素を除去する リコード法とは アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドβが蓄積することで発症すると言われて…
今日は日本認知症予防学会の専門医教育セミナーを受講してきました。 現在、認知症の原因と言われているアミロイドβの蓄積は、発症より20~25年前には始まっています。 従って、予防が早すぎるということはありません。100年ライフを生きる私たちは、誰もが40歳を過ぎたら認知症の予防を考えるべきなのかもしれません。 認知症の原因として、一般的な内容と、分子栄養学的な視点からいえることをお伝えします。 一般的にはアミロイド仮説、コリン仮説、グルタミン酸仮説などがあり、これにより抗認知症薬の開発が進められています。 アミロイドカスケード仮説 現在最も有力な説です。 シナプス(神経細胞)の膜表面に存在するア…
以前の記事に、MCTオイルがうつ病の症状改善やうつ病予防に効果があるだろうというお話をしました。 今回はMCTオイルについてお話したいと思います。 www.sakuranbo23.com MCTオイルとは MCTオイルで認知症も予防 MCTオイルの摂取法 MCTオイルとは MCTオイルは、ココナッツやパームに含まれるMCT(中鎖脂肪酸)だけを取り出した油です。 ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が約60%、長鎖脂肪酸が約40%含まれています。MCTオイルは中鎖脂肪酸が100%であり、病気の予防目的で摂取するのであれば、純度が高いMCTオイルを使用しなければなりません。 中鎖脂肪酸は直接細胞内に入り…
認知症の診断目的で来られる患者さんはもちろん、うつ病など他の疾患で通院されている患者さんからも「私は認知症ではないでしょうか」と相談されることが、多々あります。 認知症と加齢による物忘れについてお話したいと思います。 物忘れを心配される患者さんの訴え 認知症と加齢による物忘れの違い 認知症以外の物忘れで注意したいこと 記憶の分類について 物忘れを心配される患者さんの訴え ご自身で物忘れを心配される方は、「俳優の名前が思い出せない」「買い物に行ったのに、買おうと思っていたものを忘れていた」「大事な約束していたのにうっかり忘れていた」などとおっしゃることが多いです。 思い出せない、忘れてしまったと…
ワンコを連れて、知人家族とネスタリゾート神戸へ1泊旅行に行きました。 宝塚北サービスエリアで休憩。西日本最大級というだけあり、広大な敷地に、お店も充実しています。こぎれいなドッグランもあり、ワンコもたくさんいました。 宿泊はネスタリゾート神戸。数多くのアクティビティがある複合リゾート施設です。 コテージを借りて、夕食は、そこのテラスでバーベキュー。一棟ずつ離れているコテージは、犬が鳴いても気にならず、バーベキュー中もワンコを自由にしておけるので、気兼ねなく楽しむことができました。 日中はアクティビティを楽しみました。犬はアニマルフレンズ(動物たちとふれあうアクティビティ)以外は、基本的にどこで…
前回の続きです。 前回はうつ病の病態の一部は炎症が関与しているというものでした。 では、脳内の炎症を制御すれば、うつ病の予防になる、もしくは一部のうつ病は改善するのではないかということです。 BHBの投与が脳内で炎症を制御する 中鎖脂肪酸の摂取でうつ症状がよくなる MCTオイルを飲むというのは試してみる価値あり BHBの投与が脳内で炎症を制御する BHBは、ケトン体の一種です。飢餓時に、脂肪酸の酸化によって、肝臓や腎臓で産生されます。ケトン体は、糖質制限によって出てくることで有名ですね。以前は、脳はブドウ糖しかエネルギー源として使えないと思われていましたが、ケトン体も第二のエネルギーとして利用…
最近は、うつ病や自閉症、アルツハイマー型認知症に、脳内の炎症が関係しているという報告が相次いでいます。予防医学の分野では、いかに炎症をおさえるかというのが、老化を抑える非常に重要な要素となっています。 先日、岩田正明先生(鳥取大学医学部脳神経医科学講座精神行動医学分野)の「うつ病の病態理解~ストレスによる脳内炎症~」という講演を聞く機会がありましたので、2回にわたって紹介したいと思います。 うつ病と炎症 ストレスが炎症を引き起こす経路 炎症を抑えて、うつを治療する うつ病と炎症 現在、うつ病の病態には様々な仮説がたてられています。 遺伝的要因、神経内分泌仮説、モノアミン仮説・・・それらと肩を並…
今日は午後から外勤だったので、外勤先の近くのカフェでランチを食べました。グルテンカゼインフリーのカフェです。 お昼時でしたが、お客さんは全員、外国の方でした。以前、ホームステイを受け入れたオーストラリア人がヴィーガンの女の子でした。日本ではグルテンフリーやヴィーガンのお店を探すのが大変だと話していました。 グルテンフリーという言葉は、ここ数年で飛躍的に聞きなれたものになってきました。なぜグルテンフリーがよいのでしょうか。 グルテンは小麦由来のタンパク質です。グルテンは分解されにくい構造になっており、未消化のまま腸に届き、腸粘膜を傷つけてしまいます。リーキーガット症候群、炎症の原因になります。つ…
精神科ではうつ病の治療は「モノアミン仮説」に基づいて行われています。 「モノアミン仮説」とは、神経伝達物質である、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンなどのモノアミンが不足することによって、うつの症状を生じているというものです。 したがって治療では、脳のシナプス間のセロトニン濃度を上げる、SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬、パキシルやレクサプロ)や、セロトニンとノルアドレナリンの濃度をあげる、SNRI(セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬、サインバルタやイフェクサー)という薬を用います。 しかし、約3割の患者さんは抗うつ薬に効果を示さないと言われています。 分子栄養学ではこの部分を説…
夕方になると、体がだるくなる、異常な空腹感を感じる、頭がぼんやりする...これは低血糖かもしれません。 本来血糖値は午前4時が最高、午後4時が最低です。これは副腎機能の日内変動と一致しています。 血糖維持という視点からは、夕方は非常に危険な時間帯です。 この時間帯に血糖値をうまく維持できないのはどういった場合でしょうか。 一つ目は、昼食後の高血糖に反応してインスリン(血糖値を下げるホルモン)の過剰分泌が起こります。そうすると、急激に血糖が低下し、食後数時間後の夕方の時間帯に、低血糖を起こす事があります。反応性低血糖症と呼ばれ、血糖調節障害の一つです。 二つ目は、コルチゾールなどの血糖を上昇させ…
マスターズでタイガーウッズが14年ぶりの復活優勝を飾りました。一時はどん底だったウッズの劇的な優勝は、多くの人に感動と興奮を与えたと思います。私もその一人です。 今日はゴルフについて日々考えていた事を書きたいと思います。 ゴルフのスイングは脳の頭頂葉を鍛えることで安定する? ゴルフのラウンドは脳の前頭葉機能を刺激する? 認知症予防にゴルフは最適! ゴルフのスイングは脳の頭頂葉を鍛えることで安定する? 私は大学時代にゴルフ部に所属し、ゴルフに打ち込んでいました。 研修医や出産などで、5年ほどブランクがあり、今は週に1回、打ちっぱなしに行くか行かないか、年に7回ぐらいラウンドに行く程度です。 学生…
週末なので、ワンコネタです。 成犬の睡眠時間は12〜15時間だそうです。1日の半分ですね。 うちのワンコもよく眠ります。 ちょっとした物音で起きますが、犬はレム睡眠が8割を占めるそうです。基本的には浅く長い眠りなんですね。 敵から身を守り、体力を温存する、野生で生きるための名残でしょうか。 安心して眠ってくれる姿は最高の癒しです。
今日は我が家のワンコを紹介します❗️ うちのワンコは、1歳10か月の男の子。 2ヶ月のころ、近所のペットショップから我が家にやってきたトイプードルです。 こんな顔ですが、名前はぽちです。 よく寝てすくすく育ってくれました。 最初は階段に登れたけど、降りてこれずに、クンクン。 犬と遊ぶのは苦手でいつも及び腰。 色んな所に連れて行きます。 子供の良い弟分になりました。 良い弟分... 誕生日もお祝いします。 旅行も行きます。 去年は泳ぎました。 脚が長いです。良い弟分です。人をだめにするクッションが大好きです。犬もだめになるようです。 トイプードルなのに7kgになりました😂 とてもいい子です✨
糖質制限をしてコレステロールが高くなるのは low T3症候群
糖質制限シリーズ最後はおまけです。 先日の症例でも登場しましたが、糖質制限をしてコレステロールが高くなることがあります。脂質摂取量が増えたと思う方が多いようですが、注意が必要です。 甲状腺は、首にある臓器ですが、そこから出るホルモンが甲状腺ホルモンです。甲状腺ホルモンは体にとってアクセルの役割をしてくれます。代謝を上げる作用があるので、働きすぎると体重は減少し、働きが落ちると体重は増加します。 甲状腺ホルモンには、T3、rT3、T4があります。働きが強いのはT3です。働かないものがrT3です。T3がアクセル、rT3がブレーキのような働きをします。アクセルだけでは暴走すると困るので、きちんとブレ…
問題なく糖質制限ができる人でも、注意しておきたいことがあります。 糖質制限をすると、脂質とタンパク質からエネルギーをとることになります。 脂質に関する注意点 タンパク質に関する注意点 その他 まとめ 脂質に関する注意点 脂肪は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。 飽和脂肪酸は、二重結合をもたない、安定した油です。肉やバター、ココナッツオイルなどです。 不飽和脂肪酸は、二重結合をもつ、不安定な油です。植物や魚に含まれます。不飽和脂肪酸は、さらに、オメガ9、オメガ6、オメガ3に分けられます。 積極的にとりたい油は、EPA,DHA、α‐リノレン酸などを含むオメガ3系の油です。亜麻仁油やえごま油で…
前回の続きです。 では前々回に紹介した、糖質制限をして調子が悪くなる人の症例の解説をしたいと思います。甘いものやパスタが大好き、細身で筋肉が少ないA子さん。これまでストレス解消は、友人とのスイーツ巡りでした。 →甘いもやパスタが好きということは、もともと主に糖質からエネルギーを確保しており、明らかなタンパク質不足が伺われます。 そしてリーキガット症候群(前回にでてきた腸漏れ症候群、スカスカの腸のことですね)の原因は、小麦グルテンや糖質過多な食事があるので、リーキガット症候群の可能性もあります。リーキガット症候群ではガンジダというカビの一種が増殖している事が多く、ガンジダは糖分を欲するため、甘い…
昨日の続きです。 糖質制限してはいけない人はどういう人でしょうか。 結論 一般的に糖質制限をしてはいけない人 事前に知らなければならないこと、タンパク質の代謝 タンパク質がうまく吸収できないとどうなるか 結論 分子栄養学的な結論は、糖質以外の栄養摂取、吸収、代謝に問題がある人です。 つまり、タンパク質と脂質を、吸収したり、使ったりがうまくできない人です。 そういった人が糖質制限をすると、確実に体調を崩します。 一般的に糖質制限をしてはいけない人 糖質制限で有名な高尾病院の江部康二先生は、糖質制限の前提条件としては、腎機能の保持、活動性膵炎、肝硬変、長鎖脂肪酸代謝異常がないことなどをあげています…
糖質制限がブームです。 好きなだけお肉を食べれて、短期間で体重が落ちるという事で夢のようなダイエット方として、一大ブームを巻き起こしました。 実際に私も、1か月糖質制限をして3㎏ほど体重が減ったことがあります。 では糖質制限はいいことばかりか、誰もが糖質制限をしていいのか、についてお話したいと思います。 糖尿病治療という観点からは、2013年にアメリカの糖尿病学会(ADA)は、糖質制限を食事療法の一つとして認めています。特別良いというわけではなく、数ある食事療法(地中海食、ベジタリアン食、低脂質食、DASH食)の中の一つという位置づけです。 つまり、「人によっては」いいかもしれないという解釈で…
仕事を続けるために出来ること ~ 精神科病院での当直勤務から~
私は、勤めている病院で月に3回程度当直、日当直をしています。 日曜日の日当直は、9時から翌朝9時までになります。そして月曜日は通常勤務なので、そのまま月曜日の夕方5時半まで病院にいます。 連続32時間ですね。 主な業務は ①救急患者の対応 私の勤めている病院は精神科救急の機能をもった病院ですので、夜間、休日も救急対応が必要になります。 ②入院患者の対応 500床近い病床があり、入院している患者さんの諸々に対応します。精神状態が悪化し診察が必要な場合だけでなく、熱発、転倒、急変など身体的な対応も必要になります。隔離や拘束の指示がでている患者さんの回診も必要です。 これら以外の時間は、病院内でいる…
今日は娘の学校関係の友人の集まりで、お花見に出かけました。アルコールを飲むので電車で、ワンコを連れて行きました。 ワンコは初めての電車です。 JR では規定内の大きさであれば、ケースに入れて、280円の切符で乗車できます。 キャリーに入れて、普通手回り品の札をつけてもらいました。 犬は手回り品なんですね。 地下鉄は駅員さんに確認だけしてもらい、無料でした。 ワンコは落ち着かないようで、ゴソゴソしたり、クンクン鳴いたり。周りの乗客を驚かせていました。 お酒もお喋りも楽しんで、帰りは1時間ほど歩いて、春を満喫できた1日でした。 明日は当直なので、疲れを残さないよう、補中益気湯を飲んで休もうと思いま…
8年ぐらい前から週に1回、ヨガをしています。 体が柔軟になり肩こりも改善し、良いことずくめです。 一昨年の12月に自宅の近くにホットヨガスタジオができたので、通ってみました。 代謝改善、冷え性改善、発汗によるデトックスが期待できると思い、週1回、多い時には2回と集中的に通っていみました。 玉のような汗が大量に出て、これまで感じた事がないような爽快感でした。 インストラクターの方が毎回、この汗はミネラルを豊富に含んでいるので、拭き取らず体に擦りこんで下さいとおっしゃっていました。 汗とともにミネラルが大量にでていると思い、サプリでマルチミネラルも摂取するようにしていました。 しかし2か月ほどたっ…
うつ病の患者さんに血液検査をすると、コレステロールが低い人が非常に多くみられます。私が栄養療法を勉強するまでは、食欲が低下している結果だろうという程度にしか考えていませんでした。 うつ病の人のコレステロールが低下するメカニズム、その結果、うつの症状を強化している悪循環についてお話ししたいと思います。 脂質はタンパク質のトラックに乗って血中を運ばれています。このタンパク質に乗った脂質をコレステロールと考えてください。コレステロールが上がる原因は様々ありますが、下がる原因は、殆どがタンパク質不足です。 うつ病の患者さんは初期の段階でおそらく強いストレスにさらされています。ストレスにより胃酸分泌は低…
昨日と今日、続けてテレビ番組でマグロがヘルシー食材として取り上げられていました。DHA,EPAが豊富、良質のたんぱく質であるなど・・・。栄養療法の視点からは、とても違和感を感じ、これで毎日のようにマグロを食べる人が出たら大変と思い、マグロの危険性についてお話したいと思います。 水銀というと水俣病、つまり過去の病気と考える人も少なくないかもしれません。水俣病は化学工場の廃液中の有機水銀によって汚染された魚介類の摂取が原因でした。 マグロは食物連鎖の上位の魚であるため、生物濃縮で水銀の濃度が高いといえます。日本海は水銀汚染の高い地域です。(これは日本や中国で火力発電が多いことが関係しています。) …
病院が5分診療と揶揄される事を多々見かけます。もちろん精神科も例外ではありません。精神科なんてゆっくり話をしてなんぼと思われているかもしれません。 私の外来では、30分で4,5人は診なければならない状況です。勿論ゆっくり診療できるのが一番ですが、たくさんの患者さんを診るということも同様に重要だと考えています。5分診療に近い状況ですが、その実情についてお話したいと思います。 予約制なので、こちらも患者さんを待たせたくない気持ちは常にあります。患者さんが渋滞してくると、ひたすらマラソンを走り続けているような心境になることがあります。 患者さんが診察室に入った瞬間から、とにもかくにもゆったりとした口…
ダイエットにも疲れにも運動にもお酒にもストレスにもマグネシウムは必要です。
今日はマグネシウムの重要性をお伝えしようと思い、過去の講義資料などを見返していました。しかしあまりにも内容のボリュームが多すぎて、頭を抱えてしまいました。 詳しすぎることまで知りたい人はそんなにいないだろうと思い、とにかく簡潔にお伝えします。(私は関西人なのでとにかく結論を知りたいタイプです。) マグネシウムは重要なミネラルである。 なぜマグネシウムは不足するのか。 マグネシウムをどう摂取すればよい? マグネシウムは重要なミネラルである。 とにもかくにもこれは覚えておいてください。 マグネシウムは、350以上もの酵素の補酵素として働き、エネルギー産生にも必須です。 コロラド大学のアイカワ博士が…
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