既往歴に潜む傷害発生の危険因子(ハムストリングス、鼠径部、および膝関節を受傷した選手が、翌シーズンに同じ傷害を負う確率は2~3倍に上る)
既往歴は、将来的な傷害発生の重要な危険因子として報告されています。 例えば、足関節および膝関節捻挫の既往歴を有する男性サッカー選手は、同じ部位に再受傷するリスクが高くなりました(オッズ比前者が4.6、後者が5.3)。 Ekstrand&Troppが、男性サッカー選手639名を1シーズンにわたって追跡した調査では、足関節捻挫の既往歴を有する選手の受傷リスクが2.3倍に上りました。 また若年男子サッカー選手においても、この危険因子を裏付けるデータが報告されており、既往歴を有する男女選手(年齢範囲U12~U18)が再受傷するリスクは2倍に上りました。 さらに、既往歴が2回以上の被験者ではリスクが3倍となり、再受傷リスクは受傷回数ととも指数関数的に増加するとみられることから、既往歴は若年サッカー選手に直接関連のある危険因子と考えられます。
2020/05/31 06:00