降り止まぬ日常を浴びながら

降り止まぬ日常を浴びながら

僕の住む町も遂に雪が消えた。 『肌寒い』という、冬の始まりか春の訪れかを表す言葉がぴったりな時期。最近では桜の便りも耳に入る。来た。やっと春が来た。 変わり映えしない日常にもわずかな揺らぎはある。 娘の進学が決まった。書類への記入。準備物の段取り。スケジュールの確認。高校卒業の前から次の新しい生活に向けて具体的な動きが始まった。 何と言っても娘が面白い。卒業式を境にパリピになった。友達と遊ぶことだけに夢中で、親である僕の心配などお構いなし。 「進学の準備は?」「課題の提出期限まで間に合うのか?」 3月に入ってから彼女はいったい何日家にいただろう。友達の家、彼氏の家。泊まる所ならいくらでもあるら…