■ 新年度ですよ

■ 新年度ですよ

「おまえは一体何をしているんだ」 大きな厨房で、突然玲良に声をかけてきたのは予想外の人物だった。 いつもなら、このくらいの時間になると料理人や上層部の幹部たちが匂いを嗅ぎつけて、 味見と称して玲良の料理を食べにくるのだが、今日の声は違う。 無意識に背筋が強張ってしまう。 「・・・相樂が厨房に入るなとは言わなかった」 「たしか、金輪際・・・いや、来世以降も会わな…