■ 新年ですよ

■ 新年ですよ

次に目が覚めたときは牢の中だった。 小さなその部屋の隅で、玲良が目を覚ましたことに気付いた男がふとこちらを振り返った。 「起きたか」 「・・・猫」 「その呼び方はやめろ」 「親しみを込めているつもりだ」 ゆっくりと身を起こしつつ、不機嫌顔の現代に反射的にそう返すと、冷めた目で軽く睨まれた。 「俺には喧嘩を売られているようにしか聞こえない。 大体何なんだ、あん…