サーチライトを信じてる
海面は穏やかで、白 青 緑 オレンジの漁火がゆらゆらと水面を照らしている。 柱状節理のてっぺんから見る漁火は、水平線に一直線ではなく、 「ほら そこに。」 手に取れるくらいに近くに感じる。 イカを釣る船は、なるべく近くにかたまって、同じ海域を照らしてイカを釣る。 真っ暗闇の中で、ポツンと一隻だけで照らしていてもたいした釣果は見込めないものだ。 漁火には集魚効果があり、多くの光に虫が集まり、海面に落ちた虫を食べに小魚が集まり、小魚を食べに少し大きい魚が集まり、少し大きい魚を食べに更に大きい魚が集まり、その中にイカも参加している。 食物連鎖のどこかに存在しているのだ。 だからなるべく光を転々とバラ…
2020/08/30 03:20