Unnecessary

Unnecessary

「和織さん、今晩和。」 「いらっしゃい裕ちゃん。 こんな遅い時間に来るなんて珍しいねぇ!!」 裕はこの店の常連で、和織はこの店のソムリエールだ。 「和織さん... 私、今さっき男を捨ててきた。」 「ぇええええ。」 「ちょっと酔い醒ます?」 和織は冷たい水をグラスに注ぎ、裕へと差し出した。 「彼に女がいたの。それも三人...」 「三人も必要だったのね。」 和織は苦笑いするしかなかった。 「私の彼ね、20代から30代女性向けのファッションブランドのバイヤーなの。 月の半分以上は中国に行ってる。帰国しても出張多くて。」 裕は落ち着こうとグラスの水を口にした。 「今日ね、久しぶりのデートだったんだけど…