【SF時代短編】*又八郎平成忍法帖*より…くノ一忍侠伝6分小説…《覚めない悪夢》
《覚めない悪夢》 山に入って三日目の朝を向かえた。寒すぎる朝だった…雪は止んで空も晴れていたが昨晩のうちにさらに20センチは積もり…雪は腰の高さを越えていた。女は地中の穴から這い出すと、穴の縁の少し開けた隙間で小用を足した。股間から熱い湯気が立ち上ってくる…女は雪中用の忍び合羽の間からワラと竹炭を引っ張りだすと…それに火をつけた…すぐに穴の中から夜のうちに乾かしておいた薪を取り出し…種火を移して…燃やす…凍えた手を温めてから女は雪で湯を沸かし…口に含んだ… 凍りかかった女の肉体に湯が染み渡っていく… そのあと…女の障りを抑える孔雀草の根をひと噛み砕き…湯で喉へ流した… 美濃、信濃にかけた山系は…
2019/01/31 14:01