花の妖精フローラシリーズ 第二話 窓辺の花束 第2節 ~ 『カフェ・ライトール』での出来事 その2 ~
トーレは、彼女があまり花を見ずに花束を置いたことで、少々残念な気持ちになったが、あまりその気持ちを出さずに、こちらも笑顔を見せた。 キャサリーンはトーレの心の動きを知ってか知らずか、早速に、右手を振って先ほどのフロア係の若い男を呼んだ。 「メニューをどうぞ」 フロア係の男はまずキャサリーンに、そしてトーレに黒い小さなメニューの冊子を手渡した。 (うっ、値段高い...) トーレはメニューの中を見て、一番値段が安いブレンドコーヒーでさえ7500リラで、アイスコーヒーが8000リラであることに目を丸くした。 「それじゃ、私はいつものレモンスカッシュで...トーレさんは何にする?」 屈託なくキャサリーンが注文したので、トーレも続いて、 「あ、じゃあアイスコーヒーで」 と注文し、メニューでレモンスカッシュが9000リラであることを確認した。 ..
2020/03/27 20:00