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ドイツゴサイコウ https://doitsugogakushu.hatenablog.com/

文法の裏に隠されたドイツ語の仕組みについて再考察するブログです。外国語学習の悩みにも触れていきます。

ねずみ
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2019/01/17

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  • 言語学修士課程を修了しました!👏🎉@ドイツ

    みなさんこんにちこんばんは。修士課程が始まってから、ほぼブログが更新できないうちに卒業する流れになりました。在籍期間はまさかの7学期。規定では4学期ということになっているので、ほぼ2倍の期間に渡ります。ただ、在籍期間3年半というのは、わたしの大学ではごくごく平均的な値だそうです。なぜそんなに長くかかったのか、そもそもドイツの文系修士(M.A.)はどんな感じなのか、忘れないうちに記事にまとめようと思います。2月に卒業したはずが、いつの間にか既に4か月経過していますが、ご了承ください。 ①自律を求められる 学部以上に自由な修士課程。どの授業を選ぼうと、どう組み合わせようと、どれだけ潜ろうと、どれだ…

  • 「シュヴェーリン」?? ― 特殊な形態素についての考察

    みなさんこんにちこんばんは。大変お久しぶりです。ちらっとドイツ語の日本語標記についての議論を目にしたので、今日はしばらく温めていたネタにでも手を付けようと思います。 さて、湖上の宝石との呼び名が高い北ドイツの観光地、Schwerin。みなさんはどんなカタカナ表記を使いますか?わたしは、数年前この街を実際に訪れるまで、「シュヴェーリン」が正しいと思い込んでいました。ドイツ語で友達に旅行の報告をするときも、Schwerinに行ったよ、なんて e の音にしっかりアクセントを置いて。 でも、一体どの街に行ったのか、必ず聞き返されてしまいました。それもそのはず。実はこの単語、アクセントが後ろに来るのです…

  • 【発音向上】強敵「Rの発音」のパターンあれこれ

    みなさんこんにちこんばんは。今日は、久々にドイツ語ブログっぽい記事を書いてみよう思います。普段から目にすることの多い、「Rの発音」についてです。今日の記事では、母音の後に続くアに近い R の話ではなく(詳しくはこちら)、子音としての R を取り上げます。 ドイツ語の子音の R と言っても、地域差や使われる場面の差があり、細かくいうと三つの違う音があります。本記事のメインテーマはこれではないので、興味のある方は下にある補足をご参照ください。今日は、標準ドイツ語で一番メジャーな「喉を使って出す若干渇いた感じの R」の発音(下記①/ʁ/)に焦点を当ててお話していきます。 さて、実は R の発音のしや…

  • 語学学校再入学を断られた時の話

    みなさんこんにちこんばんは。ご無沙汰しております。すっかりおさぼりブログとなった本サイトですが、ふと思い出したことがあるのでちょっくら記事にしていこうと思います。これは、初めてドイツの大学に通い始めて絶望した直後のお話です。 史学科に入学した初日に挫折した話は何度か記事にしてきましたが、実はその話には続きがあります。自分の語学力に呆れた当時のわたしは、とりあえず近所の語学学校に行ってドイツ語力をアップさせてから大学に再挑戦する計画を立てました。 さて、レベルチェックテストを受けてみるとすごくアンバランスな結果が出ました。文法は満点、読解・作文テストはかなりの低得点だったのです。スピーキングも終…

  • シュトーレン現象に関する一考察 2020年版

    みなさんこんにちこんばんは & Frohe Weihnachten! 大変長らく放置していたこのブログですが、話題のテーマについて考察してみたくなったので今日は久々の更新です。 さて毎年クリスマスシーズンになるとドイツ発のスイーツが話題になりますね。近年市民権を獲得しつつあるStollenです。気になる読み方ですが、みなさんは、シュトレン派ですか?シュトーレン派ですか? ドイツ語の読み方に則ると、本来は短母音であるシュトレンと発音されるこの単語なのですが、どうも日本語的には伸ばし棒を入れた方がしっくりくるみたいなのです。試しに「シュトレン」と「シュトーレン」で検索をかけてみると、以下のようにな…

  • 文字だけではわからない①

    みなさんこんにちこんばんは。最近はTwitter 経由で覗いてくださる方も増えてきてうれしい限りです。さて今日は、ドイツ語の綴りと発音の関係性について再考していきたいと思います。 ドイツ語の読み方の規則は、同じアルファベット言語の英語と比べると比較的単純と言われています。でも、やっぱりドイツ語にも、文字を見ただけではわからない読み方の規則もあるのです。一から数え始めるとキリがないので、この記事では二回に分けて5つの代表的な例からご紹介します。 ①Rの母音化 (R-Vokalisierung) ドイツ語の読み方の規則の王道といえばこれ。母音の後に続くRは、aに近い音で発音されます。実際に発音を聞…

  • ドイツ人同士の会話についていけない理由

    みなさんこんにちこんばんは。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。大学も始まって、一気にブログおさぼりモードのねずみです。今日は、ドイツ人同士の会話の輪にうまく入れない現象について再考していこうと思います。 皆さんは、語学学校や外国人同士、一対一での会話ならついていけるのに、ドイツ人同士の会話になると一気についていけなくなる体験をしたことがありますか?私は、大学に入った当初、あまりに周りのドイツ人の会話についていけなくて衝撃を覚えた記憶があります。 実はこれ、言葉の社会的な性質と非常に深く関係しています。ここでは、「レジスター」という概念と「コミュニケーションの流れ」がキーワードになります。 どの…

  • 【ドイツ語音韻論】Susi & Strolch (101匹わんちゃん) の読み方

    みなさんこんにちこんばんは。今日は、もうすぐドイツで公開されるらしいディズニー映画のタイトルを見てインスピレーションを受けました。みなさんは、Strolch の正しい読み方が分かりますか?特に、最後の二文字。今回のテーマは、ずばり標準ドイツ語の ch の読み方について。 おさらいですが、この ch は二文字で一音を表しています。英語の sh に近い感覚ですね。ヒに近い音、フに近い音、はたまたキやクとも読めてしまうこの二文字ですが、読み方にはある程度の規則性があります。特に大事になってくるのが、語中での位置と、ch の前にどの音が来るかの二点です。 ①語頭の ch (3 パターン) China、…

  • ドイツ人にならなくてもいい

    昨日は、私がドイツで体験した挫折にフォーカスしてお話ししてきましたが、今日はそれから今日までの考え方の遷移と、きっかけになった経験、今思うことについて書いていこうと思います。私の結論をは、ドイツ人にはならなくてもいい、ということです。非母語話者として、ドイツ語を完璧にできる必要なんてありません。 歴史学から言語学に転科した時、 外国語としてドイツ語を話す学習者への理解度の高さに驚きました。先生たちも皆、自ら英語という外国語を扱い、やるせなさを経験したことのある人たちで。個人差さえあれど、大抵の先生はあくまで言葉という普段なら判断の対象になるものを客観的に捉えて、外国人の話す言葉の特徴をつかむこ…

  • 言葉の壁

    みなさんこんにちこんばんは。お久しぶりです。大学のオンライン授業が始まったり、リモートワークをしたりして少しブログから離れていましたが、またぼちぼち更新を再開しようと思います。慣れないことはやっぱり疲れますね~。さて今日は、外国語学習にはつきものの、語学力の悩みについて触れていこうと思います。 突然ですが、私は去年の七月、ドイツに来て一番のクライシスに陥りました。きっかけは、外国から来た大学生の大学の卒業率と語学力の関係についての講演を聞いたこと。講演では、語学力の高さがやっぱり卒業と密に関係しているという内容だったのですが、なんとなく、カウンターパンチを食らったような気持ちになりました。自分…

  • 【ドイツ語の変遷】zu Hause の e

    みなさんこんにちこんばんは。今日も少し時事ネタを絡めたドイツ語情報をお送りします!今回のテーマは、最近よく聞くフレーズ "Bleiben Sie zu Hause!" についてです。 Zu Hauseという言葉は、もともと 三格支配の前置詞 zuと、中性名詞の Haus からきています。でも、この e がどこから来たのか不思議に思ったことはありませんか? 実はこれ、決まった格では名詞に語尾を付け足すというルールと大きく関係しています。言い換えると、二格(Genetiv)の s や、複数三格(Dativ Plural)の n と全く同じ仕組みなのです。des Hauses, den Häuser…

  • 今ドイツ語で一番よく聞くフレーズ - 天井が落ちてくる?

    みなさんこんにちこんばんは。相変わらずコロナウイルスの影響で思うように動きの取れないドイツからお送りします。さてこんな状況なので、今日は最近ドイツ語で一番よく耳にするフレーズをご紹介したいと思います。それは、 Mir fällt die Decke auf den Kopf. です。直訳すると、「頭の上に天井が落ちてくる」という意味になります。直訳はちんぷんかんぷんですね。このことわざは、すごく息苦しく感じる状況を表しています。友達や同僚と話していると、やることが制限されて辛い心情を表すためにこの表現を使う人が非常に多いです。ずっと家にいるから、つまらないな~って感じで。 私は初めてこのフレー…

  • 【ドイツ語音韻論】母音の長短の見分け方のコツ

    みなさんこんにちこんばんは。ドイツ語音韻論シリーズも、一回目・二回目に引き続き三回目に突入しました。予告していた通り、ドイツ語の母音の長短の見極め方についてお話ししていきます。 さてドイツ語を学習された方なら一度は、ドイツ語の母音の長短をすぐに見分ける方法があればいいのにな~なんて思ったことがあるかもしれませんね。母音の長さが伸ばし棒を使ってはっきりマークされる日本語と違って、ドイツ語では、母音の長さは結構分かりづらいからです。今日はそんな方のために、いくつかコツを紹介します。 ①長母音の見分け方 まずは、長母音の見極め方から。ドイツ語には、Längungszeichen/Dehnungsze…

  • ドイツ語は役に立たない?

    みなさんこんにちこんばんは。元気でお過ごしでしょうか。最近ふと、高校生の頃に渡独の決意をしたためた文章を目にして、かつての葛藤を思い出したねずみです。今日は、日本に住んでいた時によく聞かれた「ドイツ語を勉強して何になるの?」という質問に遅ればせながら答えていこうかと思います。 私は高校生のころ、ドイツ語学習に熱中していました。それは、ドイツの大学に進学して、歴史学を学ぶという夢を叶えるため。若いなりにいろんなことを考えて、ドイツ史を勉強するならどこの大学に進学するのがいいのか、むしろドイツに行った方がその道を極めるための近道なんじゃないか、なんて思った末の結論です。当時から言語オタクの気質も強…

  • ドイツ語化していく私の日本語

    みなさんこんにちこんばんは。今日は、外国に住んでいると避けられない日本語力の低下について書いていこうと思います。 今週家族と電話でウイルス関連の話をしていた時のこと。国ごとの統計を出来心で読んでいたら、スペインの発音を笑われてしまいました。シュペインってどこ?って…。 これは何を隠そう、sp/stをschp/schtと読むドイツ語の仕業。まさかこんなマクロなレベルで日本語が侵食されてしまうとは。全体的にサ行、特にシの発音もおかしくなってしまったので困ります。トホホ。私はもともと歯並びがずれていてサ行に恨みがあったので、苦手意識は募るばかりです。 あとは、u の発音も結構独特になってきて、例える…

  • コロケーションを調べる近道

    みなさんこんにちこんばんは。今回の記事では、前日紹介したコロケーションの調べ方をご紹介します!必要なのは、ベルリン・ブランデンブルク科学アカデミーの運営するコーパス、DWDS (Digitales Wörterbuch der deutschen Sprache, ドイツ語オンライン辞典)だけ。 コーパスとは、言語学で言うデータベースのことです。過去に公開された文学や新聞・学術論文からドイツ語の用例を大量に集め、ドイツ語の実際の使われ方を探るために使われるツールです。 このサイトの何が素晴らしいかというと、一つの単語の用例を、使われ方と頻度ごとに表示させることができる点。コロケーションの記事で…

  • 【ドイツ語音韻論】Rの落とし穴

    みなさんこんにちこんばんは。さて前回はドイツ語の母音の「緊張」についてご紹介しましたが、今日はあまりフォーカスされることのない二つの母音について書いていこうと思います。 一つ目はSchwa、いわゆるシュワー(曖昧母音)です。基本的に、アクセントが置かれない音節にあるeは、普通のeよりずっとゆるく発音されます。Ketteという単語の例を見ると明らかですが、一つ目の強調されるeは日本語の「エ」のように発音されるのに対し、二つ目のeはどちらかというと「ウ」に近いようななんとも言えない曖昧な音です。 シュワーは、たとえばbenehmen、Bitteのように、接頭辞や語尾に現れることが多いです。皆さんは…

  • 【ドイツの敬意表現】メールの上達のコツ

    みなさんこんにちこんばんは。今回のテーマは、ドイツ語を勉強している人・日常的に使用している人なら一度は頭を悩ませたことがあるであろうドイツの敬意表現についてです。今日はその中でも特にメールにフォーカスを当てていこうと思います。これはドイツ語で、俗にE-Mail-KniggeやNetiquetteと呼ばれるものです。 どの国の言葉でもそうですが、一番大切なのは、基本の型を覚えることです。最初は全然馴染みのなかった表現も、日常的に使用することでなんとなく感覚がつかめてきます。ドイツ語のメールの構成(Aufbau)は、日本語と同じように、大きく分けて宛名、本文、挨拶の三つに分かれています。 宛名(A…

  • 【ドイツ語音韻論】母音を振り返ってみる①

    みなさんこんにちこんばんは。今日はこのブログのタイトル通り、ドイツ語について再考していこうと思います!今日の記事は、基本の発音をマスターした中から上級までの学習者に参考にしてもらえることを目指しています。 ドイツ語の母音といえば、複雑そうな台形の図を見せられてなんとなく尻込みしたことがある人も多いんじゃないでしょうか。今日は、なかなか授業で取り上げられることのないドイツ語の長・短母音の意外な違いにフォーカスを当てていきます。 皆さんご存知の通り、ドイツ語には、a、i、u、e、oという5つの母音のほかに、ä、ö、üという3つの母音があります。顔みたいでかわいい見た目の割に、日本人にはなかなか聞き…

  • ドイツにも文系・理系ってあるの? ー ドイツ語力とのつながり

    みなさんこんにちこんばんは。今日は、ドイツの大学の文系・理系の違いと語学力の関係について考察していこうと思います。 さて、ドイツにも文系・理系の区別があるのかどうかは、今までもよく議論されてきたテーマですね。ドイツの学問分野は、主にGeisteswissenschaft(= 精神科学)とNaturwissenschaft(= 自然科学)の二つに分けることができます。基本的には、Geisteswissenschaftが文系、Naturwissenschaftが理系に対応しています。 ドイツの学位には、主にBachelor(学部課程)、Master(修士課程)とPromotion(博士課程)がある…

  • コロケーションって?

    みなさんこんにちこんばんは。今日は一日中家にこもってまじめに勉強していたので、その余力を使ってコロケーションという概念についてドイツ語にフォーカスを当てながらお話ししようと思います。 みなさんは、コロケーションという言葉の意味をご存知ですか?ゆとり前後の世代なら、きっと一度は電子辞書に入っている「コロケーション辞典」を目にしたことがあるんではないでしょうか。私は、言語学を知る前は、なんかオレンジレンジのロコモーションみたいな語感の言葉、くらいの認識しかありませんでした。 さて、本題のコロケーションですが、これは大まかにいうと「決まった言い回し」のことです。意訳すると、熟語と取ることもできます。…

  • Hueberの謎 ― ドイツ語の伸ばし棒?

    みなさんこんにちこんばんは。非常にご無沙汰しております。さて、今回はドイツ語学習者なら誰でも一度は出くわしたことがあるであろうドイツ語教材の大手出版社Hueber社の読み方について短く考察していこうと思います。 みなさんは、この社名の正しい読み方が分かりますか?私は、つい最近までずっと、フーバーなのか、ヒューバーなのか、はたまたフエバーなのかずっと疑問に思ったままでした。 ドイツ語の先生とかCDはフーバーと言っていた気がするし、でももしかしたらウムラウト変わりのueかもしれないし、でもひょっとしたら二つの音節かもしれないし…。この長年の疑問が、ドイツ語の音韻論を学習しているときにようたく解ける…

  • 言語学の初歩の初歩

    皆さんこんにちこんばんは。お久しぶりです。最近はすっかり寒くなり、さぼり癖がまた出てきているねずみです。 さて今日は、このブログでも何度も使っているキーワード、かつ私の愛する専攻科目である言語学についてちらっと説明したいと思います。 そもそも言語学って言われても、何をする学問なのか想像もつかない人が多いんじゃないでしょうか。私も、専攻科目を変える前は、存在すら知りませんでした。 言語学で扱う対象はとても広く、言葉に関する疑問を体系的に明らかにすることが目的です。こういう言い方をしてもすごくはっきりしないので、具体的な例をお伝えしようと思います。 言語学で扱う分野は非常に広く、様々な言語的な現象…

  • 【ドイツ語と英語の関わり】音韻末子音の無声化(Auslautverhärtung)

    今日は、英語とドイツ語の共通点について短く考察していこうと思います。 皆さんは、英語の授業で習った英単語の複数形の規則について覚えていますか?wolf (単)/ wolves(複) みたいな、語尾の子音が変わってしまうあれです。よーく見てみると、何か気付きませんか? ドイツ語の読み方の規則に、語末子音の無声化(= Auslautverhärtung) というものがあります。Hund と書くのに、hunt という読み方をするというものです。逆に、複数形の Hunde になると、文字通り hunde と読みます。この二つの違いは、語尾の子音が無声(= stimmlos、ここでは t のこと)か、有…

  • 語学学校から大学へのステップアップ

    みなさんこんにちこんばんは。大変お久しぶりです。 最近は、外国で生きていくこと、外国語を話し続けることについて考えすぎて頭がオーバーヒートしておりました。ちなみに、ドイツ語には"Mir raucht der Kopf"(=頭から煙が出る)という表現があります。日本語と同じですね。 今日は、語学学校と大学の決定的な違いについて、私の実体験を振り返りつつお話ししようと思います。 語学学校時代、私は常にネイティブと関わりたいのにほとんど交流する機会がないことに辟易していました。だからこそ、日常的に生のドイツ語に触れられるドイツでの大学生活に大きな憧れを抱いたりして。でも、実際に語学学校の外の世界に出…

  • 外国語習得に必要な4つの基本能力⑤ 会話力編

    皆さんこんにちこんばんは。今日は、外国語習得に必要な4つの能力シリーズのラスト、話す力(=以下、会話力)について書いていこうと思います。 会話力は、ほかの三技能と比べても断然習得しづらい能力だとわたしは思います。なぜなら、他人とのコミュニケーションを伴う話し言葉の中で、能動的にドイツ語を組み立てることが求められるからです。このために必要になってくるのが、瞬発力と心の強さです。 話す行為には、基本的に相手との対話という側面が付きまといます(レコーダーに自分のドイツ語を吹き込むTestDaFの口頭試験を除いて)。会話の中で相手の言っていることを理解しつつ、自分の言いたいことを組み立てて口に出すのは…

  • 外国語習得に必要な4つの基本能力④ 作文力編

    みなさんこんにちこんばんは。かなり長い間放置してしまっていたブログですが、今日からまた引き続き外国語習得に必要な4つの技能について考察していきます。今回のテーマは、書く力(=以下、作文力)について。 作文力は、前回二回に渡って考察してきた読解力・聴解力とは違い、能動的な能力です。そのため、ドイツ語を理解するだけでなく、ドイツ語で自分の書きたいことを相手に伝えることが必要になってきます。その際問われるのが、①言語運営能力と②文章力の二つです。 ①言語運用能力 作文では、第一にドイツ語そのものの良し悪しが評価の対象になります。いわゆるRechtschreibung(=正書法)のことですね。例えば、…

  • 外国語習得に必要な4つの基本能力③ 聴解力編

    皆さんこんにちこんばんは。また明日と書いた次の日には記事を更新しない法則に気付きだした筆者です。さて、今日は前回に引き続き外国語習得に必要な4技能のうちの一つ、聞く力(=以下、聴解力)について考察していきます。 聴解力は日常会話において欠かせない能力です。誰かと話していて相手の言うことが理解できないと、会話もそれで終わってしまいますからね。 聴解力は、昨日紹介した読解力と違い、話し言葉と深く関係しています。話し言葉の特徴は、比較的簡単な構造が使われること。これは、(録音された音源でない限り)基本的に話し言葉は一度きりしか聞くことができないからです。そのため、話し言葉ではより単純な言い回しが好ま…

  • 外国語習得に必要な4つの基本能力② 読解力編

    皆さんこんにちこんばんは。今日は、先日紹介した外国語に必要な4技能のうちの一つ、読む力(=以下、読解力)について考察します。 ドイツ語を勉強するうえで避けては通れない課題、それはドイツ語で書かれた文章を読むこと。学習レベルごとに出される課題は変わりますが、読解力は初級から上級までレベルに関係なく要求されます。 読解力の特徴は何といっても、理解の対象が書き言葉であること。書き言葉は、基本的に話し言葉と比べて文の構造がとても複雑です。例えば、話し言葉でいくつかの文に分けて話される内容も、書き言葉では1文にまとめて書くのが好まれます。 例:Es gibt eine Organisation. Sie…

  • ドイツ語文法用語リスト

    ドイツ語の文法用語そのものが分からなくて授業についていけなくなる現象を防ぐために、今日は文法用語のリストを用意しました。用語の種類・使用されるコンテクストによって項目を分けています。 これを暗記する必要は全くないですが、授業でわからない文法用語が出てきたらこのページを検索してみてください(コントロールキー,ctrl/strg+f)。 1.1 文の成分 (das Satzglied, -er) 主語 das Subjekt 述語 das Prädikat 直接目的語 direktes Objekt 間接目的語 indirektes Objekt 修飾詞 das Attribut 修飾句 das …

  • 外国語習得に必要な4つの基本能力① 概要編

    皆さんこんにちこんばんは。今日は、語学学校で求められる言語能力について説明していこうと思います。 外国語を勉強するときに求められる基本能力は、4つに分けられます。これは、①読む力、②聞く力、③書く力、④話す力です。ゲーテ・インスティテュートの試験やTestDaFを受けたことのある方なら、よく目にしたことのある概念だと思います。基本的に、この4つの能力をバランスよく習得するのが学習の目標とされています。 さて、この4つの能力と密接に関係しているのが、a)書き言葉と話し言葉の違い と b)能動的・受動的な能力の違い です。図にするとこんな感じ。例えば、①読む力は書き言葉と受動的な理解力、④話す力は…

  • 学習スタイルの違い

    みなさんこんにちこんばんは。ドイツはいつものようにまだ夜です。今日は、語学学校で気づいたドイツと日本の外国語の授業の違いについて書いていこうと思います。 ドイツの語学学校に通ってみてすごく驚いたことがあります。それは、口達者な学習者が多いこと。彼らを観察していると、自分が感じたこと・思ったことを言葉に出す作業に慣れている人が多いように思います。他にも、言っていることが完全に伝わらなくても、文法がどれだけ間違っていても気にせず話し続ける精神力の強い人も多い印象です。 これは、母国で学習してきた授業中の振る舞いや、学校教育で何が重視されるかということと深く結びついている気がします。 語学学校を卒業…

  • (非)分離動詞の前綴りについて 後編

    みなさんこんにちは。今日は、(非)分離動詞の前綴りのまとめです。 今日のテーマは、前綴りが付くことによる目的語の変化について。目的語といっても、いろいろあります。4格目的語、3格目的語、再帰代名詞、前置詞句などなどたくさんあります。 例えば、schenkenという動詞は、普段4格目的語(何を)と3格目的語(誰に)と組み合わせられます。しかし、ver-という前綴りが付くと、4格目的語だけを目的語として取るようになります。このように、動詞がいくつの目的語と組み合わせられるかの決まりを動詞の結合値(=Verbvalenz)といいます。 be-のように、この前綴りが付くと4格目的語を取るようになる、と…

  • (非)分離動詞の前綴りについて 中編

    みなさんこんにちこんはんば。今日は、一昨日の記事、(非)分離動詞の前綴りについて 前編 - ドイツゴサイコウで紹介した前綴りの再考ポイントの一つ目、前綴りが付く動詞の意味についてについて書いていこうと思います。 昨日は、前綴りの代表的な意味を紹介しましたが、前綴りの意味から単語全体の意味を推測できる動詞はごくごく一部に限られます。これは、語彙化(=Lexikalisierung)という現象と関係しています。これは、前綴りと幹動詞がそれぞれ本来の意味を失って、一つの新しい意味を表すことです。前綴りが付く動詞は、大まかに生産的な動詞、語彙化した動詞の二種類に分けることができます。 面白い例に、au…

  • (非)分離動詞の前綴りについて 前編

    みなさんこんにちこんばんは。今日は、ドイツ語の動詞に付き物の前綴りについて考察していきたいと思います。よく聞く分離動詞・非分離動詞の前綴りってやつですね。 非分離動詞の前綴り(=Präfix)には、be-, ent-, er-, ge-, hinter-, ver-, zer-の7つがあります。特徴としては、前綴りそのものは意味をなさない・もしくは意味が非常に抽象的なことが挙げられます。非分離動詞は文法的に見ると単純なので、前綴りの存在に気が付くことも少ないかもしれませんね。 とはいえ特定の意味をなす前綴りもあり、be-は一つの動作を完全に遂行すること、ent-は何かを取り除くこと、ver-は…

  • ドイツ人の使う筆記用具について

    ドイツに来て気になったことがの一つが、ノートのマスの違いです。 日本では6~7ミリのマスがメジャーですが、ドイツ人が使うノート(=Schulheft)は三種類あって、①マスの幅がものすごく広い(=liniert)か、②マスがものすごく小さい四角形(=kariert)か、③無地(=blanko)に分かれています。 ドイツ人を観察していると、①派と②派がすごい多い印象を受けます。私からすると、①は幅が広すぎて巨大な文字になるし、ページは食うしでいいことがあまりないし、②は逆に幅が狭すぎてアリみたいな字になるし、中間の幅はないのー?と思ってしまいます。あとは、どちらもマス線の色が異様に濃くて目がしょ…

  • 渡独のきっかけ

    今日は、ドイツに来たきっかけを少し書いてみようと思います。 直接の理由はずばり、(日本の)第一志望の大学に落ちたことです(笑)。受験は中学校入学前に一回受けたきりだったし、今までの人生で大きな挫折をしたことのなかった私にとって、正直言ってこの出来事は結構ショックでした。 高校3年生の頃にはドイツに行きたいという思いもそれなりにあって、ドイツの大学に出願する条件も満たしてはいたのですが、それでも外国に進学となるとなんとなく決断を下せなくて。 ただ、第一志望に落ちてしまった以上、他の大学に行くのも負けたような気がするし、中途半端にドイツ語ができてしまう分、ドイツ語学科に進んで一からまた文法を学び直…

  • ドイツ人の書く文字について

    私の母は、達筆です。子供のころは母の字が全く読めなくて、母がどうやって自分の字を読んでいるのかいつも謎でした。大人になった今、ようやく暗号みたいな母の字を解読できるようになりました。 母のおかげで日本語の手書き文字を読む力はそれなりに鍛えたつもりでしたが、ドイツ人の手書きの文字には太刀打ちできません。私の周りのドイツ人は、私の母よりも強烈な字を書くからです。デジタル化が進んだ時代とはいえ、手書きの文字を目にする機会はたくさんあります。大学や学校での板書、誕生日にもらうメッセージカード、おしゃれなレストランのメニューなどなど。読むのに時間がかかって、友達に文字が読めないと思われるのはなかなか恥ず…

  • 語学学校あるあるその② 友達編

    今日は、前回に引き続きドイツの語学学校でのあるあるを紹介していきたいと思います。今回は、こちらに来てからできる友達についてです。 ④ドイツ人がいない 語学学校での友達に関する悩みといえば一番多いのはこれじゃないでしょうか。ドイツ人囲まれる生活を夢見て渡独した私は、この事実にかなりの衝撃を受けました。考えてみれば当たり前ですが、ネイティブスピーカーはドイツ語学校に通う必要がないですもんね(笑) 学校や大学を通して留学する場合はまた事情が大きく変わると思いますが、特にこれといったツテもないまま外国に来るとこうなります。たぶん、どこの国でも事情は似てるんじゃないでしょうか。 ドイツにいながら現地人の…

  • 語学学校あるあるその① 学習編

    これから初心に返って語学学校時代に感じていたことを書いていこうと思います。今日は、学習中のあるあるについてです。現在進行形で語学学校に通っている人がいれば、同じような悩みを抱えているかもしれませんね! ①文法用語がわからない 日本にいたころは、複雑な文法用語も一瞬で覚えることができたのに、こちらの語学学校で突然ある動詞のPartizip Perfekt (=過去分詞) を聞かれたとき、まったく答えられませんでした。だって、Partizip Perfekt という単語の意味が分からないから!でも、それを説明する力もまだないしモヤモヤ。。 語学学校って、時期ごとにそれぞれのレベルのクラスが開講され…

  • 自己紹介

    あけましておめでとうございます。 本題に入る前に、少しだけ自己紹介をしようと思います。 私は、3年前からドイツのある都市で大学生をしています。きっかけは、ただただドイツが好きだったこと。こちらに来てからも紆余曲折ありましたが、今はドイツ語の言語学を専攻しています。ドイツ語の文法や発音、効率的な学習の仕方について考えるのが大好きで、大学でもこんなことについて勉強しています。 中学生の頃からドイツ語学習が趣味で、ドイツに来てからもたくさんのドイツ語コースに通いました。去年、無事に最後の語学試験を突破し、今では母語話者レベルといわれるC2の資格を持っています。(やっぱりどう頑張ろうとしてもネイティブ…

  • はじめまして

    はじめまして。 2018年も今日で終わりですが、思い切って今日からブログを始めます。ドイツ語について、私なりの切り口を見つけていろんなことを書いて行けたらいいなと思っています。 このブログでは、授業で習う文法の奥に隠されたドイツ語のディープな仕組みについて再考察していきます。詳しく言うと、気になるドイツ語のなんで?やドイツ人がよく使う生の表現を、言語学的視点を交えつつ分析していくつもりです。 そのほかにも、自分の体験を踏まえつつドイツでの学生生活や外国語でのコミュニケ―ション能力を上げる方法について書いていく予定です。 これからどうぞご愛読よろしくお願いします☺ ねずみ にほんブログ村

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