「服部真里子第二歌集『遠くの敵や硝子を』(書肆侃侃房・2018年)」を読む(其のⅥ)
〇 水を飲むとき水に向かって開かれるキリンの脚のしずけき角度 「しずけき角度」にほ降参せざるを得ません!〇 蜜と過去、藤の花房を満たしゆき地球とはつか引き合う気配〇 見る者をみな剥製にするような真冬の星を君と見ていつ〇 胸をながれる昏くて熱い黄金よ秋は冒瀆にはよい季節〇 眼鏡というひとりのための湖を父の顔から持ち去る夜明け〇 もう行くよ 弔旗とキリン愛しあう昼の光に君を残して〇 夕顔...
2022/04/30 14:40