「宇田川寛之第一歌集『そらみみ』」(2017年・いりの舎刊)」を読む
待ち合はせ時間に遅れ焦る吾を背後から呼ぶこゑはそらみみわれよりも花に詳しき子とともに春まだ遠き団地をあゆむ鉄棒にぶらさがる子のまなざしの先ひらきたる花水木、白前髪をはじめて切られ泣きべそをかきにし吾子はわが膝に乗るお気に入りの枯れ葉をポケットに入れて全力疾走繰り返す子よ補助輪をつけて娘は疾駆せりそのあとを追ふわれの小走り補助輪をけふより外せる自転車よ団地の庭の子のあとを追ふ長靴を履いて駆け出す子の...
2019/09/29 07:15