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2018/09/20

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  • Euphoria 42 最終話

    グランドメープルニューヨークバンケットルーム道明寺ホールディングスの株主総会の後、カクテルパーティが催されている。株主総会で、司の代表取締役社長兼CEO就任が3分の2以上の同意を持って承認された。このカクテルパーティは、司の就任祝い及びお披露目を兼ねている。そんな司の晴れ舞台に、幼少期からの友人達ももちろん招待されていた。「類も来てたんだな」会場であきらと落ち合った総二郎は目ざとく類の姿を見つける。昔...

  • Euphoria 41

    留学期間を終え、イギリスの大学に正式に編入した際、つくしは専攻を英文学から法律に変えたどうすれば司の側にいられるか。すでに法曹の道へと進んでいた静の後押しもあった。国際的な大型プロジェクトでは未だ英国法で契約書が作成されることが一般的だ。経営と違って法律は学んだことがダイレクトに活かせる。それに、司と同じ視点ではなく、違う視点を持つことでサポート出来るからこそ側にいる意味が出てくる。下心ありきの進...

  • Euphoria 40

    クリスマスも、つくしの誕生日も、司と二人で過ごすのは初めてだった。いつも、類や総二郎、あきら、そして椿や静が一緒にいた。時が止まればいいのに司が笑った時に目尻に皺がよるとき、話しかけたとき必ず目線を合わせてくれるとき、「つくし」と名を呼ばれるときこれが当たり前じゃないことをつくしは知っている。欧米では新年を祝う習慣はない。クリスマスが終わり、年末が過ぎれば1月2日から日常に戻る。学校が始まるのも1月2...

  • Euphoria 39

    「やっぱり寒いね」「だから言ったじゃん、寒いよって!」人気のない大学を二人は肩を竦めて歩く。「今は授業も休みだし、特に見るものはないよ、ほんとに」「ん」「他にも見る場所あるのによりによってなんで大学を見たいって言ったのよ」「ほら、一度来てれば想像しやすいじゃん。今頃つくしは大学で授業かーとか、図書館かーとかさ、俺が日本に戻った後も」「何その理由」つくしは類の言葉に吹き出す。「じゃあ今度から風景もメ...

  • Euphoria 38

    「司から連絡くれたの初めてだね」司の前の椅子に座ると、言葉の内容とは裏腹に滋は寂しそうな顔で告げる。滋の椅子を引いたウェイターにコーヒーを注文したあと司に話しかける。「紅茶頼むとすごい種類の中から選ばなきないけないでしょ。最初は、さすがイギリス!って思って興奮したんだけど、毎回ダージリンとか、セイロンとか選ぶの大変だし、その中でもファーストフラッシュとか更に細かく種類が分かれてるじゃない?だから毎...

  • Euphoria 37

    「お前に話がある」司の耳元で類はそう告げた。「大河原の猿、来てるんでしょここに」「ここっつーか、ロンドンで昨日会った。追い返したけどな」「昨日の夜、このホテルの近くで見かけた。いつもと違って真っ青な顔して歩いてたけど、間違い無いと思う」類の思いもよらぬ言葉に司は動揺を隠せない。「昨晩ってあいつここまで来てたってことか?」「俺も昨日の夜こっち着いたんだよ。車の窓から見ただけだけど、間違い無いと思う」...

  • Euphoria 36

    「お前の母親とじーさんはどこで知り合ったんだろうな」翌日、ゆっくりと起きた司はインルームダイニングで朝食を頼む。ここ数日、つくしの食べる量が減っているのが気がかりだった。「お母さん、東京で結構大きい会社で秘書として働いてたんだって。だから仕事で出会ったみたいだよ」さつきの言葉が蘇る。私たち、早くに父を亡くしたから母が自立しろってうるさくて。これからは女も手に職をつけないと生きていけないって。千恵子...

  • Euphoria 35

    つくしが店を出ると、司が壁にもたれかかり待っていた。「聞きたいことは聞けたか?」つくしは司に思わず抱きつく。「こんなところで待ってなくてよかったのに」普段は体温の高いはずの司の手はひんやりとしていた。「また雨が降り始める前にホテルに戻ろうぜ」司は優しくつくしの肩を抱きながら道を歩き始める。「あたしのお母さん、亡くなってたよ」「そうか」なんとなくそんな気はしていた。幼い子供が母親と離れて暮らす理由は...

  • Euphoria 34

    「そろそろ来る頃かなって思ってた」つくしと司がギャラリーに着くと、サツキが待ち構えていた。「オリビエから連絡もらってたの」司の横に佇む青白い顔をしたつくしのほうへ歩み寄ると、そっと抱きしめた。「黙っててごめんね。口止めされてたってのもあるけど、あなたが今幸せならわざわざ思い出させることはないかなと思って。」何も言わずに涙を流すつくしを、サツキは店内へと招き入れる。「はじめまして。道明寺司くんよね」...

  • Euphoria 33

    司はキャブに乗ると、一旦ホテルに戻り荷物をまとめてそのままターミナル駅であるKing’s Cross駅へと向かう。「ねえ、どうしたの?」つくしの疑問が解消したのは、ダラム行きの電車に乗り込んだ時だった。「ダラムに戻るの?」司はしばらく考え込んでいるようで、つくしはそれ以上の質問を控える。ロンドンからつくしがホームステイしているダラムまで3時間。司が口を開いたのは、乗車時間が残り1時間を切ってからだった。「なあ、...

  • Euphoria 32

    「俺は、誰になんと言われようとお前の側にいる。絶対にだ。」不安な気持ちを見透かされていたようでつくしの目から涙がこぼれ落ちる。「悪かったな、嫌な気持ちにさせて」司のせいじゃない。ただ、自分の覚悟が足りてなかったことを自覚させられ、それなのに、当然のように滋に嫉妬した自分の浅ましさがこの上なく恥ずかしかっただけ。あの場から適当な言葉で逃げようとした。最低だ司は堂々としていたのにあたしは司の顔色を窺う...

  • Euphoria 31

    翌日、雨は止んだものの引き続き天気は曇っていた。二人は手を繋いで街中をぶらぶらと歩いていく。少しずつ蘇ってくる記憶を話しながら、二人のことを誰も知らない場所にいる。ずっと司に知ってもらいたかった。本当は妹じゃないってでも、司が自分に執着するのは妹だからなのかもしれない。怖かった司の側にいられなくなるのがだから自分が妹じゃないと知ってなお司が会いにきてくれたこと、手を握り、キスをしたこと信じられなか...

  • Euphoria 30

    「なあ、いつから親父が父親じゃないって気づいてたんだ」司は濡れたつくしの髪をタオルで優しく拭いていく。「ん、、、いつからっていうか、最初からかな」「最初から?」司の手が止まる。「薄らとだけど、本当のお父さんがたまに会いに来てくれたの覚えてる。ロンドンかどこかの都会のホテルで何回かご飯食べたんだよ。父親ってはっきりと名乗られたわけじゃないけど、たぶんお父さんなんだろうなって思ってた」「じゃあお前は引...

  • Euphoria 29

    「昔のこと、どのくらい覚えてんだ」「ん、正直言って分かんないんだ。誰にもずっと話してなかったし、本当に自分が覚えてることなのか、想像なのか曖昧で。もしかしたら、こうだったらいいのにって思ったことをいつのまにか思い出と履き違えてるのかもしれないし。ほら、過去は美化しがちじゃない」特に、道明寺に引き取られてからのつくしの生活は、幼いつくしには精神的にとても辛かったはずだ。何を言っていいのか、何を言って...

  • Euphoria 28

    その日は遅いからと司の宿泊する部屋に泊まらされ、翌日荷物をとりにサマセット公の邸に戻った。「流石に司が来ること伝えてないから、ホテルで待ってて」つくしは司にそう念を押すと一人で邸へと戻る。昨日は結局、司は飲みすぎたのかたわいもない話をしている間にリビングのソファで眠りに落ちていた。あんな風に話したのはいつぶりだろう。昔に戻ったみたいだった。とりあえず2週間分の荷物をまとめると、サマセット公へメール...

  • Euphoria 27

    突然現れた司に、状況が飲み込めないままホテルへと連れて行かれるとそのまま部屋へと引きづられていく。「とりあえずあったまってこい」そう言ってバスルームに閉じ込められたものの、つくしには状況が掴めなかった。暖かい部屋に入ると、自分が思ったより濡れていたことに気がつく。ホームステイさせてもらっている身だ、病院のお世話になることは避けたい。つくしは服を脱いでシャワーブースに入ると暖かいお湯を浴びた。「ごめ...

  • Euphoria 26

    『つくし、本当にここに残るのかい?』『はい、ご迷惑でなければ』『でも、年末は使用人もクリスマス休暇取らせるし、邸に誰もいなくなるんだよ。そんな中、つくし一人で留守番させるだなんて』『私ももういい年ですし、自分の身の回りのことくらい自分でできるので大丈夫です。せっかくなのでご家族水入らずで過ごしてください』何度目かのやりとりが繰り返しされる。サマセット邸は普段、サマセット公と夫人の二人暮らしで、すで...

  • Euphoria 25

    「お前、ふざけてんのかよ。誰かって、つくしの父親は親父だろ」司の声に怒りが混ざっている。どうしようもない事実 つくしが血を分けた妹だと口にするたびに、心から血が流れ出る。だが、そんな司の言葉を無視して類は続ける。「つくしの母親を探ってたら、パンドラの箱に行き着いたんだよ。つくしの出自を秘密にしなければならない理由。まだ確信がない。だからお前には伝えるなってねえちゃんには言われた。でも、俺は、司には...

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