小説 『雪の夜の殺人』
長い歳月が流れて銃殺隊の前に立つはめになったとき、恐らく彼は、父親のお供をして初めて氷というものを見た、あの遠い日の午後を想いだしたにちがいない。 ————— ・・・ ————— 3月に入った雪の夜、麹を作って売っていた一人暮らしの老婆が包丁で殺された。争った跡があり、火をつけた形跡があったが炎上はまぬがれた。犯人は裏口から出て畑を通って逃走した。足跡は朝降った雪でかき消されてどちら...
2024/03/30 00:00
2024年3月 (1件〜100件)
「ブログリーダー」を活用して、hanka931さんをフォローしませんか?