2021/03/31 春は変なことを考えやすい
目黒川の桜は散り始め、川面は大量の花弁が浮かんでいた。花筏。 昼休み、いつ使うのか分からない、恐らく緊急時専用の船着場のベンチで腰掛けていると、唸りを上げたモーター音が近付いてくる。バイクかと思うとそれは花見客を乗せたボート。青汁よりも悪そうな色をした目黒川に白い波をほどほどにつけて、ヴーヴー言いながら去っていった。開花宣言から満開までの早さも去ることながら、葉桜に散っていくまでも呆気ない。変な夢を見た後のようなざわつく思いがした。 年度末。退勤するときの挨拶は年度末のそれじゃなかったな、と帰りのエレベーターを待つ間に早速反省会を開いた。エントランスを抜けると生暖かい風が全身をぬめっと這う。こ…
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