ひとり・ひとり・ひとり?
自分が今まで当たり前に思っていた生活が、否応なしに変わらざるを得なくなった。自由に外に出られない。人に会うこともできない。ないないだらけの生活だ。茫然と立ち尽くすことになる、と身構えた。ところが蓋を開けてみると、意外な日々が待っていた。そのひとつが、「ひとり」の解釈の変化だ。 今この生活で、私の隣には母親のほかに誰もいない。もちろん、人に会えなくなって、喫茶でお喋りとか、居酒屋で笑ったりとか、そんなことができずに、かれこれ1ヶ月半は経った。たしかに、とても寂しい。でも、意外にも心に毒なものじゃない。あまつさえ、少しあたたかい。 ここには誰もいないのに、はっきりと今、人が隣にいる。こんな相反する…
2020/05/12 23:24