【読書】フランス人の恋愛基準と定型詩のリズム/「シラノ・ド・ベルジュラック」
今日の一冊は、こちら。 ロスタン「シラノ・ド・ベルジュラック」 十九世紀末に書かれた、定型詩句による戯曲である。 今回は新訳を手に取ったが、これがとても良かったようである。 定型詩ということは、文章に一定のリズムがあるということだ。 わたしは詩に全く詳しくないから、全編短歌で書かれた戯曲、というイメージで読んだ。 原作はフランス語であり、そのリズムを日本語に訳すなんて神業としか思えないのだが、この新訳版では原作の音の印象を伝えることにとても気を配っているそうだ。 言葉がテンポよく飛び込んできて、軽快な音楽を聴いているような快適さがある。 帯の「シラノの言葉がスイングする!」という文句は嘘ではな…
2018/07/17 18:30