虚しさを引き受けて

虚しさを引き受けて

明確な要因がわからない自死は、 人を困惑させる。身体の芯の部分が 低温やけどをしたかのように 熱を持ち、落ち着かない。 その時、かたちでは解決できない 存在の壁の前で立ち尽くしている ことに、はっと気がつく。 握った手のひらから漏れる空虚 地響きの耳鳴り 暗く荒れた海と曇天 生きることはいいことだと 自分に言い聞かせたのかもしれないな。 それだけでなく、生きることに悩む 人々へエールさえ送ろうとした。 過大に役割を意識しすぎたきらいがある。 きっと真面目で、優しかったのだろう。 そして、自信がなかったのかもしれない。 独特のらしさや尖ったところがないこと、 いい子の殻を破れないでいることが ど…