雨の降る街 1 昨夜
少年は、眠れない夜に考え事をするのは、よくないことだと分かっていた。 考えは、ただ暗い部屋に漂うばかりで、欲しいと願った正解を、与えてくれることはない。 それでも、布団から這い出て、何か別のことをして気を紛らわせる余力も、もう残ってはいなかった。 カーテンの切れ間から、車のライトが、部屋の壁をなぞって消える。また一台……。 白々とした陽の光が、その切れ間から、強さを増してやってくる。 明日が不意...
2024/04/28 00:45
2024年4月 (1件〜100件)
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