八月の詩(花見どき)

八月の詩(花見どき)

やどかり春場所の記録記録や尊富士惟之やどかりや子の掌に貌を出す高瀬川の一之船入桜咲く焼跡の輪島に咲きぬヒヤシンス花見どきお召列車の菊御紋誌上句会兼題「初夏」特選初夏の辻馬車に揺れ豊後富士惟之初夏のひかりを廻す風車かな利里子二〇度は丁度頃合ひ老ひの初夏秀子初夏や逗子の沖行く帆掛け船克彦秀逸初夏の芝に稚児の転がされ洋子初夏や天地返しに味噌の玉三枝子初夏の風の吹き交ふ古戦場幹男四阿を筒抜け風夏はじめ珠子初夏や流るる雲も大川も東音初夏の朝出かける誘ひ待つてをり万智子入選リハビリへ窓辺のエール初夏の風謙治山寺の足もと軽し初夏の声博女指しやぶる赤子に初夏の風やさし廣平アレクサにまずは挨拶初夏の旅光央苗を待つ田水を揺らす初夏の風まこと暮れなづむ首夏の棚田の水鏡藤子苗物に落ちつかぬ空夏始め稔初夏の川の飛び石きらめけり敏子...八月の詩(花見どき)