劣化

劣化

*いつしかの歪みが晴れて素敵なうたも浮かばなくなる。瞼の裏にはただ灰色の闇だけが広がり鼓膜を震わす水音には生命(いのち)の気配が感じられない。あの日々に見た幻。信じて止まなかった幻。悲しいほど偽りに彩られた現実が今は酷く恋しい。心を動かされたあのうたも今で