320『第56話 日常25 小川冬馬は童貞を捨てた』
カーテンを閉め切った部屋に、その隙間から細い光が射しこんでいる。宙に舞う埃が光の筋を浮かび上がらせ、汗に濡れた彼女の上半身を照らしている。形の良い胸から、くびれたウエストへのラインが、神秘的な美しさで冬馬の眼前にあった。 「おい。なにぼーっと見てんだよ。ソープじゃねえんだぞ」 胸の上についている頭部からそんな声がする。ハスキーな声だった。 いい声だな。 怒ったように激しくなる動き…
2025/05/18 10:44
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