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師匠シリーズまとめ http://shishoseries.seesaa.net/

伝説のネット心霊怪談『師匠シリーズ』のまとめブログです。

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巨匠
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2016/08/19

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  • 261『書籍版 田舎』 〈3〉 【みこがみを喰らうもの】

    261『書籍版 田舎』 〈3〉 【みこがみを喰らうもの】

    pixiv 2023年11月27日 19:18 ●田舎〈3〉 【みこがみを喰らうもの】 「おはよう」 ユキオの声に目を覚ました。 思わず、夕べの続きのように瞬間に臨戦態勢に入った。 「寝起き、えいにゃあ」 すぐに起き上がった俺を感心したように見て、ユキオは笑った。見回すと、師匠の布団はもう空だ。kokoさんもだった。起こしてくれてもいいのに。そう思いながら、ユキオに言った。 「みんなは?」 「散歩かな」ユキ…

  • 260『書籍版 田舎』 〈2〉 【いざなぎ流】

    260『書籍版 田舎』 〈2〉 【いざなぎ流】

    pixiv 2023年11月27日 19:17 ●田舎〈2〉 【いざなぎ流】 朝が来た。目を覚ますと、隣で師匠がひどい寝相をしていた。少しほっとする。それから4人と伯父夫婦と合わせて、6人で朝食を取る。なにか足らない気がした。 そうだ。新聞がない。 「ああ、昼にならんと来ん」 そういえばそうだった。俺のPHSも師匠の携帯も通じない、情報を制限された田舎なのだ。 食べ終わって部屋に帰ると、師匠に昨日の夜のことを訊…

  • 259『書籍版 田舎』 〈1〉 【田舎への招待】

    259『書籍版 田舎』 〈1〉 【田舎への招待】

    pixiv 2023年11月27日 19:08 ●田舎〈1〉 【田舎への招待】 大学1回生の秋。 そのころ、うちの大学には試験休みというものがあって、夏休みのあとに前期試験があり、そのあとに試験休みがくる、というなんとも中途半端なカリキュラムとなっていた。 夏休みは我ながらやりすぎと思うほど遊びまくり、実家への帰省もごく短い間だった。 そこへ降ってわいた試験休みなる微妙な長さの休暇。俺はこの休みを、母方の田舎…

  • 258『バチェルダーの部屋』

    258『バチェルダーの部屋』

    pixiv 2020年5月6日 23:59 『バチェルダーの部屋』 大学1回生の冬だった。 そのころ俺が出入りしていた地元のオカルトフォーラム『灰の夜明け』には、常連だけが参加している裏サイトがあった。 なにしろ一応黒魔術について語るというサイトの目的があったものの、もはやだれも守っておらず、オカルトよろずコミュニティーと化していたので、一時的に怖いものにハマッた高校生や大学生の一見さんがわんさか湧いては…

  • 257『毒 中編』 3/3 『もう死んでる』

    257『毒 中編』 3/3 『もう死んでる』

    pixiv 2020年5月4日 19:27 3 もう死んでる 突然真っ暗闇になったことで、そこかしこから息をのむような気配がする。私も驚いた。無意識に、テーブルの端を掴んでいた。 天井に小さな光の粒が現れた。それはまたたくまに頭上を覆うように広がり、夜空が生まれた。 プラネタリムだ。そういえば、部屋の四隅に、なにか黒い機械が設置されていた。あれがそうだったのだろうか。 「あら、綺麗」 マダムの声が…

  • 256『毒 中編』 2/3 『ケーティではなくてよろしいのね』

    256『毒 中編』 2/3 『ケーティではなくてよろしいのね』

    pixiv 2020年5月3日 19:29 2 ケーティではなくてよろしいのね 夜の7時半。私は、駅の西口にやってきた。地下の東西連絡通路の入り口のそばに、街路樹があり、その周りを囲むように設置されている石のベンチに、京子が座っていた。 京子はスリムな体のラインがわかるような、薄手のチェスターコートを着ていた。丸いサングラスをしていて、まるでお忍びの芸能人のようだ。 私は、と言えば、スカジャン姿とい…

  • 255『毒 中編』 1/3 『シュレディンガーの猫って知ってるかしら』

    255『毒 中編』 1/3 『シュレディンガーの猫って知ってるかしら』

    pixiv 2020年5月2日 14:03 1 シュレディンガーの猫って知ってるかしら 京介さんから聞いた話だ。 高校1年の12月のことだった。 2学期の期末試験がもうはじまるというころ。私は不本意ながら家で勉強をしていた。どうせいい点は取れないことはわかっているが、やらずにひどい点を取ると、のちのち面倒なことが次々とわいてくるのは、目に見えている。 数学の教科書と見比べながら、自分でノートに書…

  • 254『失せ物探し』

    254『失せ物探し』

    pixiv 2020年5月1日 23:52 『失せ物探し』 1回生の冬。市内の居酒屋で『灰の夜明け』というオカルトフォーラムのオフ会があって、そのあと、一部の主要メンバーたちで裏オフ会をすることになった。 闇の幹部会とも称される、その裏オフ会の主要会場となっている歩くさんの部屋に集まったのは6人。本人と、みかっちさん、ワサダさん、京介さんという女性組4人と、伊丹さん、俺の男性組2人。 このメンバーでよく…

  • 253『毒 前編』 5/5 『いつもそれで赤点だったのね』

    253『毒 前編』 5/5 『いつもそれで赤点だったのね』

    pixiv 2020年4月30日 22:58 5 いつもそれで赤点だったのね 京介さんから聞いた話だ。 高校1年の12月のことだった。 寒いのは好きじゃないので、毎年この時期はつらい。まして高校生にもなって、制服がスカートなのが納得いかない。ジーンズを穿いて登校したい。そう言うと、クラスメートの高野志穂は、こんなかわいい格好できるのは、いまだけだよ、と妙にババくさいことを言った。 気安くなるにつれて…

  • 252『毒 前編』 4/5 『なんだいまの。かわいいじゃねぇか』

    252『毒 前編』 4/5 『なんだいまの。かわいいじゃねぇか』

    pixiv 2020年4月29日 21:13 4 なんだいまの。かわいいじゃねえか 松浦から依頼されたCというクスリの件が、思うように進んでいないなか、僕は資料整理のバイトのために小川調査事務所に来ていた。 これまでに何度かタカヤ総合リサーチの資料ファイルを見せてもらって、その仕組みを自分なりに研究し、小規模ながらそれに似たやりかたができないか、試行錯誤をしていた。小川所長からは、「綺麗にできたら、金一封…

  • 251『毒 前編』 3/5 『科学的検査を信じろ』

    251『毒 前編』 3/5 『科学的検査を信じろ』

    pixiv 2020年4月28日 22:14 3 科学的検査を信じろ 僕と師匠は、西沢が去ったあと、大学へ向かった。師匠の提案で、この小瓶の中身が本当に水なのか、確認したほうがいいということになったのだ。 それもそうだった。そうなると、液体の検査ができる研究室があるところ、ということになる。 僕が、薬学部に知り合いがいます、と言うと師匠は首を振った。 「医学部と薬学部は、ヤクモのテリトリーだ」 学生に頼…

  • 250『毒 前編』 2/5 『マリファナとハッシッシを少し』

    250『毒 前編』 2/5 『マリファナとハッシッシを少し』

    pixiv 2020年4月27日 23:17 2 マリファナとハッシッシを少し 高谷所長と会ったその足で、僕らは小川調査事務所に向かった。今日は重要な依頼があるのだ。 「ギリギリになっちまったな」 早足で歩く師匠のうしろで、僕の足取りは重かった。なにしろ相手がヤクザだからだ。 「なんだ、元気がないな。嫌なら今日は、お前はいなくてもいいんだぞ」 「そういうわけにはいかないですよ」 「こっちは別にいいけどな…

  • 249『毒 前編』 1/5 『アンタッチャブルってことですか』

    249『毒 前編』 1/5 『アンタッチャブルってことですか』

    pixiv 2020年4月26日 23:00 師匠から聞いた話だ。 1 アンタッチャブルってことですか 大学2回生の冬のはじめだった。 僕は師匠に連れられて、タカヤ総合リサーチにやってきた。何度も来ているので、いまさら驚くこともないが、これが自社ビルだという。 「どうした。いくぞ」 見上げていると、ためいきが出そうになる。同じ興信所なのに、我らが小川調査事務所との格差を思い知らされるのだ。 なか…

  • 248『お祓い』 3/3 『魔よけ』

    248『お祓い』 3/3 『魔よけ』

    pixiv 2019年5月19日 20:47 3 魔よけ 師匠から聞いた話だ。 大学2回生の春だった。 そのころ僕は、小川調査事務所という興信所でバイトをしていた。普通の興信所の仕事ではない。その業界で、『オバケ』と呼ばれる不可解な依頼を専門に受けている師匠の、お手伝いのようなものだ。 師匠もバイトの身だったが、そこそこいいバイト代をもらっているようだった。うらやましいが、当時の僕にとっては、バ…

  • 247『お祓い』 2/3 『防火水槽』

    247『お祓い』 2/3 『防火水槽』

    pixiv 2019年5月17日 22:07 2 防火水槽 師匠から聞いた話だ。 大学1回生の秋だった。 僕の師匠は、大学院に在籍しながら、興信所の調査員という変わったバイトをこなしつつ、オカルト道をまい進するかたわら、地元の消防団に入っていた。実に忙しいことだ。 さいごの消防団は、イメージにあるファイアマン、つまり消防署員と違って、機能別団員とやらだそうで、いわばイザ鎌倉という際だけの協力員の…

  • 246『お祓い』1/3 『石』

    246『お祓い』1/3 『石』

    pixiv 2019年5月15日 12:50 1 石 大学2回生の夏だった。 俺はオカルト道の師匠に連れられて、ある神社に来ていた。西のK市にある山のなかの神社だ。 師匠の軽四でノロノロと山道を登っていると、石垣が見えてきた。路肩の広いところに車を停めて、神社の敷地に入った。 雑草を踏みながら進み、師匠の懐中電灯が狛犬を照らし出す。苔むしたそれは、片割れがいない。向かって左側の台座から、本体が失われ…

  • 245『秋の日々』第9話 『写真屋』

    245『秋の日々』第9話 『写真屋』

    pixiv 2019年1月18日 21:31 師匠から聞いた話だ。 9 写真屋 大学2回生の秋の終わりだった。 僕は1人で、小さなマンションの前に立っていた。繁華街から少し離れたところにある、古くてみすぼらしいマンションだ。 ここには、『写真屋』と呼ばれる、天野という男が住んでいる。師匠の悪友で、普通の町なかの写真屋ではプリントしてくれないような、危ない写真を割高な料金で手がける人物だった。 師…

  • 244『落し物』

    244『落し物』

    pixiv 2018年12月23日 00:51 『落し物』 ウニ 大学6回生の夏だった。 そのころ俺は、卒業まであと数単位となっており、レポートさえ出しておけば単位はくれてやる、という教授のお言葉に甘え、ひたすら引きこもっていた。いまだにもらっている仕送りと、たまにやるパチスロで生計を立てており、バイトはやめてしまっていた。ネットゲームをしたり、2ちゃんねるにひらすらはりついたり、就職のしの字も頭に…

  • 243『秋の日々』全8話 / 第8話『冬が来る前に』

    243『秋の日々』全8話 / 第8話『冬が来る前に』

    pixiv 2018年7月7日 21:45 8 冬が来る前に 「なんの用なの。1人で来るなんて、珍しいわね」 「まあ、ちょっと」 僕は、喫茶店の窓際の席で看護婦の野村さんと向かい合っていた。彼女は大学病院で看護婦長をしていて、師匠とは古くからの知人だった。その縁で僕も何度か会ったことがあった。もちろん、1人で会うのははじめてだ。 「あんまり時間はとれないわよ」 野村さんは窓の外をチラリと見た。イチョウの…

  • 242『秋の日々』全8話 / 第7話『星型要塞都市』

    242『秋の日々』全8話 / 第7話『星型要塞都市』

    pixiv 2018年6月30日 21:32 7 星型要塞都市 角南家での老人との会合から2日が経っていた。 その日、僕はバイトで小川調査事務所にやってきた。特に調査の依頼は入っていない。ただの資料整理だ。情報が命の興信所は、最近の様々な事件を常に整理している。タカヤ総合リサーチなどは、その辺がかなりシステマティックに整備されている。わが小川調査事務所も、スズメの涙の賃金で働く物好きなバイトが増えたおかげ…

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