故郷は遠くにありて・・・忘れかけてた【遠い背景の記憶】原点回帰[89]【恋と少年】
・・・・・この作品は、1963年5月河出書房新社より刊行さた長編作品ですが、自らの青春体験を基幹とした初期作品の代表作です。富島健夫の初期作品は、《青春》をテーマとしての基本姿勢を踏まえて《青春の心》を描き出してきた作家である。他の作品で【雪の記憶】・【故郷の蝶】・【故郷は遠きにありて】・【夜の青葉】・【明日への握手】等々の基幹となる自伝的要素の強い作品ではないだろうかと思う。富島健夫が、主人公(杉良吉)の名を借りて終戦直後から昭和二十年代後半の時代背景の中での少年期からの青春群像を描き出している。終戦前まで日本の植民地であった地からの引き揚げ者、そして貧しく空腹と孤独感のなかでの思春期を学制改革の施行を機に新制高校二年となって男女共学の学生時代を過ごしてゆくのである。主人公の成長とともに変化してゆく女性...故郷は遠くにありて・・・忘れかけてた【遠い背景の記憶】原点回帰[89]【恋と少年】
2022/10/28 07:00