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失踪する猫 第15章 - 4
「ちょっと! どういうつもり? インチキだの、詐欺だのって! いい? この人は本物なの! なんでもお見通しの先生なの!」 「なんでもお見通し? 馬鹿言う…
2021/10/31 00:00
失踪する猫 第15章 - 3
適当につくったコーヒーを出すと、ヤクザにしか見えない男は煙草を取りだした。 「あの、悪いけど、ここ禁煙なの」 「ああ、そうなのか。そいつは悪かったな…
2021/10/30 00:00
失踪する猫 第15章 - 2
カンナは口を覆った。ゆるむのを押さえたのだ。違うの。私はあくまでもあの子が心配なだけ。だから、別に北条さんじゃなくてもいいんだけど、他にこの辺のオマワリ…
2021/10/29 00:00
失踪する猫 第15章 - 1
第15章 案の定――というのもなんだけど、幾日か後にカンナはこう訊かれた。 「な、そういえば、この前、あの若い警官に会ったって言ってたよな? そんと…
2021/10/28 00:00
選挙どうしよう ~我々の給与は下がっているのか?
そろそろ選挙があるわけですが、ちょっとばかり悩ましく思ってるんですよね。 とくに支持政党とかもないし、なんらか期待するようなこともなかったりするので、どこに…
2021/10/27 00:00
空を見るなら秋がいいのかもしれない
なんだか今年は秋っぽさを感じることがあまりなくて、このまま冬に入っちゃうのかしら――と思ったりもしますが、ふいに空を見あげると、ああ、こういうのだよなって思い…
2021/10/26 00:00
お尻が痛い ~粉瘤について
尾籠な話で申し訳ないのですが、ここのところ僕はお尻が痛かったんですね。 いえ、痔ではないですよ。 粉瘤というのが破裂したというか、とにかく腫れあがって痛いの…
2021/10/25 00:00
失踪する猫 第14章 - 11
「そうですか。それを聴けて安心しました。――いえ、非番のときにでも、」 そこで小声になり、警官は顔を近づけてきた。カンナは一度引きかけた顎を突き出して…
2021/10/24 00:00
失踪する猫 第14章 - 10
「じゃ、スーツのおじさんともお友達?」 「へ?」 「前に会ったことあるんだ。ペロ吉と話せるおじさんと。蛭子のお婆ちゃんは『先生』って言ってた。僕、お腹…
2021/10/23 00:00
失踪する猫 第14章 - 9
マスコミの連中は身構えるようにした。それを横目にカンナはふらふらと歩き出した。どこへ行くかもわからない。いや、あらゆることがわからなくなっていた。――な…
2021/10/22 00:00
失踪する猫 第14章 - 8
「なんで警察なんかに行かなきゃならないのよ。馬鹿にもほどがあるわ。そりゃ、心配はしたわよ。当たり前でしょ? あなた、逮捕されたのよ。それも人殺しで」 「…
2021/10/21 00:00
失踪する猫 第14章 - 7
「驚いたわ。だって、戸を開けたら暗い顔した人たちが財布ひらいてるじゃない。まるで、」 そこまで言って千春は口を閉じた。手には《千疋屋》の袋を提げている…
2021/10/20 00:00
失踪する猫 第14章 - 6
「じゃ、お待ちかねの質問タイムね。――っていうか、皆さん大丈夫? 訊きたくないってなら、それでもいいんだけど」 借金まみれの女性レポーターが背筋を伸ば…
2021/10/19 00:00
失踪する猫 第14章 - 5
それから彼は五人連続して占った。 「ふむ。あなたはけっこうな借金がありますね。それもギャンブルで拵えた借金だ。パチンコ、競馬、競輪、オートレース、あら…
2021/10/18 00:00
失踪する猫 第14章 - 4
当たり前の日常が戻ったとはいえ、以前のようにはいかなかった。予約はほぼすべてキャンセル、飛び込みのお客さんだって来ない。ただ、理由はわかりきっていた。テ…
2021/10/17 00:00
失踪する猫 第14章 - 3
「じゃ、最初の一口飲んだら着てよ。わかった?」 「うん、わかった。ほら、カンナ、乾杯しようぜ」 プシュッと音がしたと思う間もなく「プハァ!」と声がし…
2021/10/16 00:00
失踪する猫 第14章 - 2
黒板塀を離れると二人は鬼子母神の脇道をのぼっていった。欅はざわめいてる。《辻会計》の看板――とはいっても今はバーだけど――の上には月が出た。大きく欠けた…
2021/10/15 00:00
失踪する猫 第14章 - 1
第14章 所持品が戻ると彼はほぼいつも通りの姿に戻った。グレーのスーツに茶色のバックルシューズ。外からでは見えないけど胸には大振りなペンダントがぶら下…
2021/10/14 00:00
失踪する猫 第13章 - 14
テーブルをつかみ、エビ茶は顔を近づけてきた。息が吹きかかるほどの距離だ。 「言ってくれないか。じゃあ、訊き方を変える。その時間に誰かと会ってたか?」 …
2021/10/13 00:00
失踪する猫 第13章 - 13
「はっ! まったくあんたたちは素晴らしいよ。まるで二時間ドラマに出てくる三枚目の刑事みたいだ。脅しつけて嘘の自供を取ろうとするんだからな。――おい、若造、…
2021/10/12 00:00
失踪する猫 第13章 - 12
「じゃあ、それもそういうことにしておこう。しかしな、山もっちゃん、まだ他にもあるぞ。そもそも怯えてた奴が謝罪を求めてくるってのも変だ。――だろ? あの爺さ…
2021/10/11 00:00
失踪する猫 第13章 - 11
「ああ、来たな」 エビ茶は親指の爪で額を擦っていた。眉間には消え去ることのない皺が浮かんでいる。 「ま、これ以上会いたくもないんだが、しょうがない」…
2021/10/10 00:00
失踪する猫 第13章 - 10
その日はそのまま留置場へ戻された。 「九十九番、食事の時間だ」 「へい! ありがとうごぜえやす!」 担当官はうんざりした顔で去っていった。――っ…
2021/10/09 00:00
失踪する猫 第13章 - 9
「ところで、カンナ」 「はい?」 「キティたちは元気にしてるか?」 「ああ――」 カンナは口許をゆるめた。大勢の猫に詰め寄られたのを思い出してい…
2021/10/08 00:00
失踪する猫 第13章 - 8
アクリル板の向こうには背筋を伸ばしたカンナがいた。『Bitch!!』のTシャツを着て、髪を束ねてる。彼は薄くだけ笑った。 「やっと会えたわね。すごく待…
2021/10/07 00:00
失踪する猫 第13章 - 7
「あの爺さんがいつ死んだかわかってるんだろ?」 「あん?」 「死亡推定時間ってやつだよ。二時間ドラマでよく言ってるだろ? そんなのも知らないのか?」 …
2021/10/06 00:00
失踪する猫 第13章 - 6
「では、質問を変える」 エビ茶は煙草臭い息を吹きかけてきた。デカい面は間近にある。 「あの時間、お前さんはどこにいた? どこで、なにをしてたんだ?」…
2021/10/05 00:00
失踪する猫 第13章 - 5
画面は昼前のニュースに変わった。しかつめらしい顔をした男女が大きく映ってる。男の方は「高温注意報発令」について話しだした。 「こういうのはどうかと思い…
2021/10/04 00:00
失踪する猫 第13章 - 4
目をあけると見馴れぬ天井があった。ぼんやりした中には人の気配も感じられる。ただ、身体は動かない。――私、また倒れちゃったんだ。なんらかの病気? それとも…
2021/10/03 00:00
失踪する猫 第13章 - 3
「大変なことになりましたね。私もお義母さんもびっくりして、なにも手につかないくらいですよ」 「はあ」 「まさかあんなことが。だって、蓮實先生は昨日も来…
2021/10/02 00:00
失踪する猫 第13章 - 2
「ナア!」 突然キティが暴れだした。四肢を突き出し、爪まで立てている。 「って、痛い! なに? どうしたのよ!」 そう言ってる間に肩まで上がってき…
2021/10/01 00:00
2021年10月 (1件〜100件)
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