第二話 姜維、陸遜邸へ行く・9
荀がカウンターから料理を提供してくる。その日はたこ焼きが平皿の上に載っていた。JUNビルの1Fでも提供されている、大きなたこ焼きである。特長のある渋い色合いの釉薬がかかった、平皿のうえに載せられていた。「いいお皿ですね」姜維がほめると、隣に座っている陸遜が、ほんとだー、これ渋カッコいいじゃん、と賛同する。一方で、曹植は芸術家らしく、たんねんに皿をチェックしていた。そして、たこ焼きをすべて食べてしまってから、皿の裏を見て、目を丸くしている。「えっ、これロ、って書いてあるよ、ロって」「マジですか、もしや、鑑定団でおなじみ魯山人の作品ではありませんか。ずいぶんと高価な品を使っているのですな、荀さん」腰を浮かせる陳宮に対し、荀は屈託なく笑いながら言う。「ああそれ、ロはロでも魯山人じゃなくて、魯仙人」「魯『仙人』っ...第二話姜維、陸遜邸へ行く・9
2016/05/26 10:15