琴を弾く透明美人(其の八)
「そうかそうだったのか。あなたは私の恩人だ。どんな願いも聞くから話してごらん。」「お恥ずかしい話ながら私は小さい頃から音楽が好きで琴と筝(小型の琴)を勉強していました。筝はなんとか弾けるようになりましたが、琴の方は弾ける前に病気で死んでしまいました。あの世では良い師がおらず悩んでおりましたところ、思いがけず先生の琴の調べを聞くことができ、この人こそわが師と決めたのでございます。まだわからないところがいくつかございます。どうか琴の手ほどきをお願い致します。」「わかりました。よく聞いてください。」ルーチェンは、しっかりとわかりやすいように琴を何度も弾き伝授した。「これでもう思い残すことはございません。」と言ってクアンニヤンは二人の元を去ろうとした。「お待ちください。じつは私も筝を少々習っております。どうか私にお聞か...琴を弾く透明美人(其の八)
2019/05/31 20:33