ヒノキノセホウダイ

ヒノキノセホウダイ

小樽から舞鶴へ向かうフェリーに乗り、京都の綾部市にある自宅へ帰ってきた。その前は千葉県から北海道へ渡り、おばあちゃんと2週間ほど過ごしていた。大腿骨を折った八十八歳を僕は他に知らないが、そんなおばあちゃんは驚くべきスピードで回復していて、怪我から2ヶ月後には自宅のキッチンに1人で立ち平然とトンカツを揚げていて、人間の強さを思い知った。復活の決め手は?なんてことは聞きはしなかったけれども、一言で言えば丁寧な生活にあるのだと思う。料理も、掃除も、洗濯も、手を抜くのは簡単で、時にそれはそれで必要なことだと思うのだけれど、ここぞという時には手を抜かない、一つ一つ丁寧に、それがどこかに繋がっていると信じているかのように。そういうことが身体に染み付いているのかもしれないと思った。人間、ある程度本気を出しておかないと本...ヒノキノセホウダイ