書評「神秘的じゃない女たち」
フェミニズムと科学の交差点。 科学技術が社会と相互に影響を与え合う過程を人文学的に研究する科学技術社会論(STS)を専門とする著者が、フェミニズムの視点から、科学の客観性や絶対性という「神話」を解体していく。 本書「神秘的じゃない女たち」(イム・ソヨン著、オ・ヨンア訳、柏書房、2024年)は、女性を「神秘的」と崇めるのはやめようと呼びかける。神秘とは時に無知の別名であり、無知のままでは女性は救えないと書く。 憂うつな女は魅力的で、子どもを身ごもった女は神々しいというイメージがさまざまな場所で再生産されるとき、現実の憂うつな女性は自らの体を痛めつけ、子どもを身ごもり産んだ女性は別の生命体の無事を…
2024/05/27 22:54