読書日記8/3
多和田葉子さんの「百年の散歩」というエッセイを読んでいる。 様々な町の通りを舞台にした旅行記のような短編集で 冒頭の「カント通り」を読んでいたら すぐ右隣で、ばさっと音がした。天使が羽根を広げたのかと思えば、そうではなく新聞だった。 という文章に遭遇した。ずっと私は「新聞が開く音はなんて小気味が良いんだ」と思っていたから 「天使」なんていう仰々しい比喩も妙に納得がいって(ああ、そっか、天使の羽根の音だったんだ、新聞を開く音って…)そんなことを思いながらページをめくった。それにしても多和田葉子さんは面白いなと思う。 カフェに男か女なのかわからない人がやってきて 勝手に「ルカ」と名前をつけてしまっ…
2021/08/04 22:00