メアリー・ヒギンズ・クラ-クの『魔が解き放たれる夜に』
◇『魔が解き放たれる夜に』著者:メアリー・ヒギンズ・クラーク(MaryHigginsClark)訳者:安原和見2004.5新潮社刊(新潮文庫)成人し、今は犯罪調査記者となったエリー。7歳の時に姉のアンドリアがボーイフレンドのロブに殺された。そのロブが近く保釈で刑務所を出てくる。何と身の無実を訴える裁判をおこすのだという。まだ殺人の余罪がある根っからの悪魔と信じて疑わないエリーは確固とした証拠固めに奔走する。ストーリーとしては単純で派生的サイドストーリーも安直であるが、「内緒だよ」との姉と約束を守ったばかりに、二人の逢引場所を父に伝えなかったという罪悪感、そのための両親が離婚、母の憔悴の挙句の死など犯罪被害者の被ったかずかずの悲哀も重要な構成要素となっており、読みごたえはある。ロブ陣営は再審を妨げるエリー側...メアリー・ヒギンズ・クラ-クの『魔が解き放たれる夜に』
2024/07/26 21:29