愛しのアイリーンの親父の言葉
正中線とおじさんの両乳首を結んだ交点にはアルカポネが隠した黄金が眠るという。 「それがこれだ」 そう言って俺はバイクにまたがり美瑛町を駆け巡った。バイクでければいけない。なぜなら今日は酷暑で、じっとしているイコール死。そんな日だったからだ。黄金はそこらへんに生えていた。もう、ばっきばきに乾燥が決まっていて、きっといまごろライスセンターでは不眠不休のトラック祭りが開催されていることだろう。 とてもよいことだ 俺はバイクに乗ることこそが人生の唯一の回答だと確信しながら考える。考えるのは、職場で退職した若者について。まだハタチに毛の生えたぐらいの彼の未来は黄金が約束されているが、それに気づくのは20…
2024/07/11 19:44