BL小説・風のゆくえには〜40年記念だった(後編)
【浩介視点】いつかはなくなる……その恐怖から逃れられない。こうして慶と一緒に暮らせているのに。「おはよう」も「おやすみ」も、「いただきます」も「ごちそうさま」も、「ただいま」も「お帰り」も、言えてるのに。この漠然とした不安感は何だろう。(…………。暇なのかな)そんなことも思う。今、仕事が落ち着いている。そして、コロナが5類に移行したとはいえ、まだまだ用心して、友人たちとの集まりも控えている。なにより、今、慶がものすごく忙しくて、一緒にゆっくりのんびりする、ということもないから、一人の時間が多い。(だからかな……)だから、余計なことを考えてしまうんだ。そうに違いない。そうだ。そんな暇があったら、慶をサポートすることを考えよう。何があるかな……。あ、きっとお昼休みもろくにないだろうから、お弁当を食べやすいよう...BL小説・風のゆくえには〜40年記念だった(後編)
2023/07/25 07:21