オーロラソング 2

オーロラソング 2

肌寒いを通り越してただ寒いと言うしかない季節。いつどおり屋根裏に居る私は、読んでいた文庫本にいつの間にか照らしていた光に気付いて窓の方を見やった。その眩しい西日に目をつい細めて、今まさに読み終えた文庫本を置く。そして長い間同じ体勢だった上半身を『ぐーっ』と上に伸ばすと、自然と小さな息と微かな息が漏れた。こうして緊張している身体から力を抜くときを含めて、私は本を読むのが好きだなと思う。 そうして首...