映画『Tar/ター』
指揮者の物語という事なので、当然音楽たっぷりの映画と思ったら、さにあらず。無音の時間がものすごく長い映画で、まず驚いた。そしてケイト・ブランシェットの快演、怪演に圧倒された。ピアノはグールドの真似までできる腕前、ドイツ語は流暢、そして指揮がどこから見ても本物だった。最初に数十分にわたるロングインタビューがあるのだが、淀みなく話す内容がかなり専門的で、俳優の演技ではなく音楽家の語りそのもの。この長いセリフがすらすら話せるだけでも凄い。指揮の振りは監修のマウチェリーの振り方のような気がする。マウチェリーの指揮は見たことがないが、写真を見たことがあり、何となくその雰囲気を感じた(少しくらい勉強の跡がないと、こちらも落ち着かないよ)。正直言って、振りだけなら、まあ真似できる人もいるだろう。それより感心したのは、リ...映画『Tar/ター』
2023/05/18 20:30